2004 Fiscal Year Annual Research Report
コーンジェットモード静電噴霧法による模擬血球の製作と人工血球の創製
Project/Area Number |
14380417
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
坂東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
桜井 篤 関西大学, 工学部, 専任講師 (50162334)
田地川 勉 関西大学, 工学部, 助手 (80351500)
中本 博幸 シスメックス(株), 中央研究所, 研究企画部長(研究職)
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Keywords | 高分子ゲル / ミクロンサイズゲル微粒子 / 静電噴霧法 / コーンジェットモード / 粒子の柔らかさ / 模擬赤血球 / DDS / 超音波造影剤 |
Research Abstract |
コーンジェットモード静電(電気流体力学的、EHD)噴霧法を用いて滴径1〜5μmの粒の極めて良く揃った高分子溶液の噴霧を作製し、その液滴群を同じく噴霧化したゲル化剤の液滴群と密閉容器内で液滴同士で反応させることにより、粒径1〜5μmの粒の極めて良く揃った高分子ゲル微粒子を作製することができた。ヒト赤血球よりも小さいため毛細血管内をスムーズに流れることができるので、微小循環の研究において模擬赤血球として使用できる。 1.作製したゲル微粒子の表面の観察を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて行ない、次にゲル微粒子表面の局所的なヤング率をAFM探針押し込み法によって測った。探針押し込み深さからHertzモデルを適用して求めた局所的なヤング率は2.7〜3.6MPaの範囲にあり、ヒト赤血球より硬かった。また、ゲル微粒子の表面は直径100〜200nmの粒子を敷き詰めた形状であった。 2.ゲル微粒子の内部に気泡を含有させて、超音波造影剤としての機能を持たせる実験を行なった。高分子溶液中に発泡剤を混入して発泡させ、無数の微細気泡を含ませた状態で加圧容器内で噴霧化し、ゲル化したところ、粒径20μm以下の気泡周りをゲルの薄皮で包んだようなゲル微粒子を作製できた。この薄皮はマイクロマニピュレーターにより強く変形させても破れず、気泡を保持し続けた。よって、現在市場を席巻している市販品とは全く異なった製法による新規の超音波造影剤として使用できそうである。 3.ゲル微粒子に強磁性体を含有させ、磁場によって外部から制御することを狙って、磁性流体を高分子溶液中に含有させてEHD噴霧化、ゲル化を行なったところ、粒子内部に均等に磁性粒子(直径約10nm)を分散させた粒径10μm以下のゲル微粒子を作製できた。DDS (Drug Delivery System)用粒子として使用できそうである。
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Research Products
(6 results)