2003 Fiscal Year Annual Research Report
イラン国ギーラーン州セフィードルード川流域における民族考古学及び生態考古学的研究
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14401030
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
大津 忠彦 財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (30260144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 清秀 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)
足立 拓朗 財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (90276006)
岡野 智彦 財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (40260145)
山内 和也 東京文化財研究所, 主任研究員 (70370997)
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Keywords | イラン / ギーラーン / セフィードルード / タッペ・ジャラリイェ / 分布調査 / 発掘調査 / 放射性年代測定法 / 鉄器時代 |
Research Abstract |
1)調査データ整理と現段階での取り纏めを行い、当該地域調査のレポートを2003年9月と2004年2月に、それぞれ第一次調査成果、第二次調査成果として公表出版した。前者はイラン国ギーラーン州セフィードルード川流域の遺跡分布調査、後者はさらにタッペ・ジャラリイェ遺跡の発掘調査の概報である。これらによりこれまでに57地点について所定の形式にデータ化することができた。また、2001年度調査地点(serial numbers 2001-1〜26)採集の土器、陶器および一部の石器資料について遺物観察表を完成、公表した。 2)タッペ・ジャラリイェ遺跡の第2層および第3層より採取の炭化物試料について、放射性炭素年代測定法による年代測定を、名古屋大学年代測定総合研究センターにて行い、結果を得た(測定番号NUTA2-5760,5761,NUTA2-6211,6212,6215)。「較正暦年代」はいずれも最大幅で紀元前8世紀初から紀元前5世紀末の値を示している(ただし、NUTA2-5761については、紀元後9〜10世紀を示し、出土状況より推して予測外の測定値結果であった)。 3)2004年2月16日より同年3月14日までの期間、ギーラーン州マースーレにて資料調査ならびに数遺跡の再踏査、その後マーザンダーラーン州からゴレスターン州、セムナーン州の関連遺跡の踏査、テヘラーン近郊の鉄器時代集落遺跡の踏査を比較研究の一環として行う。資料調査においては、2002年度表採資料の実測、「観察表」の作成を終了させた。採集石器資料中に紡織用のおもり(loom weight)を確認したが、先年出土の紡錘車資料と共に、出土遺跡のタッペ・ジャラリイェが居住址であることを示唆する重要資料であると認識される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大津忠彦: "ギーラーン州(イラン)における2002年度考古学調査-日本・イラン共同調査の成果と展望-"オリエント. 46巻1号. 179-190 (2003)
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[Publications] 大津忠彦: "カスピ海西南岸域の遺跡調査と課題-「日本・イラン共同調査団」の成果より-"日本考古学協会第69回総会研究発表要旨集. 164-168 (2003)
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[Publications] 足立拓朗: "The Development of the "Ear" Pommel Sword in Northwestern Iran"岡山市立オリエント美術館紀要. 19巻. 25-37 (2003)
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[Publications] 足立拓朗: "イラン鉄器時代の嘴形注口土器の変容"日本オリエント学会第45回大会講演・研究発表集. 8 (2003)
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[Publications] 大津忠彦: "「柿崎ノート」の有用性-アムラシュ資料(イラン)探査記録について-"日本オリエント学会第45回大会講演・研究発表集. 9 (2003)
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[Publications] 大津忠彦, J.Nokandeh, 山内和也他: "Preliminary Report of the Iran Japan Joint Archaeological Expedition to Glian, First Season, 2001"中近東文化センター、イラン文化遺産庁. 96 (2003)