2004 Fiscal Year Annual Research Report
イラン国ギーラーン州セフィードルード川流域における民族考古学および生態考古学的研究
Project/Area Number |
14401030
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
大津 忠彦 中近東文化センター, 学術局, 研究員 (30260144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 智彦 中近東文化センター, 学術局, 研究員 (40260145)
山内 和也 東京文化財研究所, 地域環境研究室, 室長 (70370997)
足立 拓朗 帝京平成大学, 情報学部, 講師 (90276006)
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Keywords | ギーラーン / セフィードルード / 新石器時代 / 鉄器時代 / アルゲダシュト / ジャラリイェ / 土偶 / キャルーラズ |
Research Abstract |
(1)踏査について ルードバール県南西域、すなわちソルハーン/ハルビーン(Sorkhan/Kharpin)渓谷とセフィードルード湖によって限られたほぼ南北17Km、東西15Kmの範囲がその対象域。地勢的にはクーシュク(Kushk)、ドガーへ(Dogaheh)、キャバテ(Kabteh)、ハーン・ダッレ(Khan Darreh)の各谷筋に沿う。30遺跡34地点を確認(遺跡によっては、その範囲をいくつかの地点に区分したところがある)。種類別では古墓(12)、集落址(20)、開地遺跡(1)、城砦址(1)、土器焼窯(1)、遺丘(1)、時代別では新石器時代(1)、鉄器時代(10)、パルティア/サーサーン時代(4)、イスラーム時代(18)の諸遺跡に分類される(カッコ内は遺跡数。複数の種類、時代を含む遺跡あり)。 とくに注目すべきはアルゲダシュトC(Arg-e Dasht C)遺跡。この遺跡は、セフィードルード湖に流入するクズルウズン川(Qezel Uzan)の北岸に位置する旧アリアバード村(Aliabad,1990年大震災により廃村)西側に広がる。赤地黒彩の彩文土器片や半月形細石器(珪酸光沢を持つ鎌刃石器を含む)などの採集資料は、アルゲダシュトC遺跡が、当該域における新石器時代に遡る明確な遺跡の最初例であることを示す。 (2)ジャラリイェ・テペの発掘調査 発掘調査対象は、2002年度に継続しての、発掘区12i-bにおける鉄器時代層(第II、III層)。注目すべきは第III層出土の鉄器片(形状復元不能)、青銅小片(6点)および土偶1点。土偶は、ギーラーン州出土品としてしばしば例示される女性像の特徴を、その正面観や髪飾りに表現。これまで発掘調査で出土した類例品としては、キャルーラズ遺跡のそれに意匠が酷似。 第III層より自然遺物を採集し、炭化物は放射性炭素年代測定試料、樹種同定試料として、獣骨片は種属同定試料として分析。
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Research Products
(3 results)