2005 Fiscal Year Annual Research Report
イラン国ギーラーン州セフィードルード川流域における民族考古学及び生態考古学的研究
Project/Area Number |
14401030
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
大津 忠彦 筑紫女学園大学, 文学部, 教授 (30260144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 拓朗 中近東文化センター, 学術局, 研究員 (90276006)
山内 和也 東京文化財研究所, 地域環境研究室, 室長 (70370997)
山本 直人 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60240800)
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Keywords | タッペ・ジャラリイェ遺跡 / イラン / 土器 / 考古学 / キャルーラズ遺跡 / 土偶 / 鉄器時代 / 年代測定 |
Research Abstract |
タッペ・ジャラリイェ遺跡(イラン国ギーラーン州)第II・III層出土土器の比較資料集成のため、イラン国立博物館(テヘラン)保管のキャルーラズ遺跡出土資料(1967,68,69年発掘資料)より、金製品1点、土器43点、土偶2点、石製容器1点について考古学的調査を行う。キャルーラズ遺跡出土女性土偶は、タッペ・ジャラリイェ遺跡出土のそれと同一形態を示す。キャルーラズ遺跡出土の男性土偶は7連の容器を併せ持つ嘴形注口土器であり、西アジアに分布する「ケルノス・リング」の東限資料と考えられる。一般土器容器関しては、タッペ・ジャラリイェ遺跡で一般的な「く」の字状頚部を有する甕形土器の胴部が球状を呈し、丸底であることが判明。その他、両遺跡の土器器形の多くで一致がみられ、キャルーラズ遺跡とタッペ.ジャラリイェ遺跡の第II・III層は併行期で、イラン鉄器時代III期(9〜7世紀頃)と考えられる。 タッペ・ジャラリイェ遺跡第II・III層より採集の木炭片試料に関して、名古屋大学年代測定総合研究センターで行った放射線炭素14年代測定結果が判明(半減期として5,568年を使用、BP後の[]内は較正暦年代): 04JT11:2508+-25 BP[766 BC:747 BC,688 BC:665 BC,645 BC:588 BC,580 BC:555 BC] 04JT16:2542+-25 BP[793 BC:753 BC,685 BC:668 BC,611 BC:596 BC] 04JT26:2484+-25 BP[756 BC:728 BC,693 BC:684 BC,669 BC:658 BC,654 BC:606 BC,602 BC:542 BC] 04JT34:1113+-23 BP[895 AD:908 AD,910 AD:924 AD,938 AD:972 AD] これらの測定値のうち、試料04JT34に関しては、考古学的年代観よりかけ離れている。
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