Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與古田 孝夫 琉球大学, 医学部, 助教授 (80220557)
宇座 美代子 琉球大学, 医学部, 教授 (00253956)
石津 宏 琉球大学, 医学部, 教授 (30034086)
田中 秀樹 広島国際大学, 人間環境学部, 助教授 (30294482)
新城 澄枝 琉球大学, 教育学部, 助教授 (20154388)
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Research Abstract |
中国の漢民族と朝鮮族高齢者を対象に主として高齢者の睡眠健康と生活習慣との関連性を検討し,以下のことが明らかになった. 1)漢民族が朝鮮族に比べて睡眠就床時刻が前進し,就床時間が長いが,自覚的睡眠時間では差が見られず,睡眠充足感は低い傾向を示すなど睡眠質の低下が示唆された.2)漢民族が朝鮮族より睡眠健康危険度得点が高かった.また,睡眠健康危険度の5つの構成因子では睡眠随伴症状関連得点,起床困難関連得点,入眠障害関連得点で漢民族が高い値を示し,漢民族の睡眠健康が低下していることが示唆された.性別では,睡眠健康危険度得点では女性が高く,因子別でも睡眠維持関連因子,睡眠随伴症状関連因子で女性が高い値を示した.一方,漢民族では睡眠時無呼吸関連因子得点で男性のほうが高い結果が得られた.3)睡眠時間,朝食,適度な運動,適正な体重,ストレスに関する健康な習慣を持っている者は持ってない者に比べ睡眠健康危険度得点が低く,睡眠健康が比較的良好である朝鮮族では朝食,適度な運動,適正な体重,ストレスに関する健康な生活習慣を有する者が多かった.4)52%の者が朝の運動習慣を持っており,運動種類は散歩,保健体操,太極拳,社交ダンスなど軽運動が主に行われていた.また,極早朝に運動する者の睡眠健康危険度得点は顕著に高く,運動頻度が多いほど睡眠健康危険度得点が低かった.5)全体の68.4%が仮眠習慣を持っており,仮眠時刻は午後1時前後が最も多く,午前9時前後に仮眠を取得する傾向が見られた.朝早に運動するほど午前に仮眠を取る割合が高いことから,午前にとる仮眠は朝運動による疲労との関連が考えられる.また,仮眠時間による睡眠健康危険度得点では30分以下の短い仮眠の睡眠健康危険度得点が最も低く,朝鮮族は漢民族より30分以下の短い仮眠をとる割合が顕著に高かった.
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