2002 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物とその寄生/共生生物の系統対応から見た共進化過程の解明
Project/Area Number |
14405003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40178950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 幸彦 筑波大学, 生物科学系, 講師 (90237074)
青木 誠志郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10334301)
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00193524)
津田 みどり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20294910)
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Keywords | マメ科植物 / マメゾウムシ科 / 分子系統解析 / PCR / DNA情報 / 根粒菌 / 共生 / 共進化 |
Research Abstract |
嶋田は、マメ科植物とそれを利用するマメゾウムシ科昆虫の系統対応を分子系統樹で解析するための準備をすすめた。まず、院生の加藤とともに、ここ数年かけてメキシコで採集されたマメゾウムシ標本のDNAを用いて、分子系統解析に用いるPCRプライマーの設計を行い、同時に、マメゾウムシの同定基準となる形態の判別を進めた。さらに、2003年3月(最もマメ科の豆果が実る乾期後半)にメキシコ・ベラクルツ州で調査を行い、約20種のマメ科植物の豆果を採集した。ここから羽化するマメゾウムシを収集し、DNA分子系統解析にかける予定である。 伊藤と青木は、マメ科植物と根粒菌の宿主特異的共生の進化機構を明らかにするためにその分子進化過程復元の手法を確立した。最節約及び最尤法に従い祖先遺伝子配列の推定し有意性を統計的に調べPCRプライマーを設計した。間違ったannealingの少ない設計のためのコンピュータプログラムを同部署の陶山明博士と共同開発し、その結果、独立に5配列目的遺伝子の合成に成功した。今後遺伝子配列を蛋白質-フラボノイド作用の解析と菌への遺伝子導入に使用する。 また津田は、セコブマメゾウムシ属の11種について寄主植物を明らかにし、非害虫種がキマメ亜連利用と高地生息という生態特性を持つことを明らかにした。この過程で、タイ・ネパールに生息する新種を1種記載した。これら11種についてCOIにもとづいた分子系統樹を作成し、今後、非害虫種と関連する生態特性から系統の効果を除いて再評価をする。徳永は、平成14年10月20日〜27日にかけてスリランカを訪れ、コロンボを中心に農場や農家、貯蔵施設などを回り、マメゾウムシを採集した。現在、この時得られたサンプルより、ヨツモンマメゾウムシ、アズキゾウムシ、インゲンマメゾウムシの複数系統を確立中である。また、平成15年2月17日〜23日にかけてニュージーランドを訪れ、オークランドを中心に北島にてマメゾウムシを採集した。現在この時得られたサンプルからの羽化を確認中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kurota, H., Shimada, M.: "Geographical variations in seasonal population dynamics of bruchidius dorsalis (Coleoptera : Bruchidae) : constraints by temperature and its host plant phenology"Environmental Entomology. 31. 469-475 (2002)
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[Publications] Kondo N., Ijichi N., Shimada, M., Fukatsu T.: "Prevailling triple infection with Wolbachia in Collosobruchus chinensis (Coleoptera : Bruchidae)"Molecular Ecology. 11. 167-180 (2002)
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[Publications] Kobayashi, A., Tanaka, Y., Shimada, M.: "Genetic variation of sex all ocation in the parasitoid wasp Heterospilus prosopidis"Evolution. (印刷中). (2003)
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[Publications] Kurota, H., Shimada, M.: "Photoperiod-dependent adult reproductive diapause within a geographical cline in the multivoltine bruchid, Bruchidius dorsalis"Entomologica Experimentalis et Applicata. (印刷中). (2003)
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[Publications] Mano, H., Y.Toquenaga, K.Fujii: "Contest competition in Callosobruchus analis"Popul. Ecol.. 44・3. 259-264 (2002)
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[Publications] Tuda, M.: "A New species of Callosobruchus (Coleoptera : Bruchidae) feeding on seeds of Dunbaria (Fabaceae), a closely related species to a stored-bean pest, C.chinensis"Applied Entomology and Zoology. 38・2(印刷中). (2003)