2003 Fiscal Year Annual Research Report
システム・オペレータの認知技能獲得過程に関する研究
Project/Area Number |
14510181
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
飯田 裕康 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (70072650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 英海 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員
粟津 俊二 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (00342684)
細田 聡 関東学院大学, 文学部, 助教授 (60270542)
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Keywords | 発電プラント / 認知技能 / 教育・訓練 / マニュアル |
Research Abstract |
1)ハードウェア・システムを安全確保の視点から見た知識構造分析 実際のプラントにおいても、必要な知識項目あるいは操作スキルのリストアップが詳細に記述され始めている。サブシステムとして機能的に分類される系統毎に、区別される要素タスクの数は500に達し、知識項目の総数は5000にも達する。これらの必要知識のリスト化は、システム全体の安全確保という視点で構造化され分類されている。このことは、従来から伝統的に行われているOJTを中心とした要素機能の維持を目的とする技能獲得過程に、機能不全がシステム全体にどの様な影響を及ぼすかという別の視点を与える契機になるが、手順書による日常的な運転操作との結びつきをオペレーターに常に意識させるためには、さらに一工夫する必要がある。 2)手順書による運転操作における認知技能獲得 単位操作を時系列的に箇条書きとした構造の手順書では、手順記述を詳細化するとステップ数が増大する操作全体のどこを実行しているか、あるいはサブシステム間の相互関係が把握しにくくなるこの点に配慮し、サブシステム毎の状態推移と要素操作の関係を一覧可能な模式図を作成した。この模式図と時系列的な手順書とを整合させることにより、日常的な手順書による実操作においてサブシステム間の相互関係を意識し、操作の意味内容の獲得が可能になるようなマニュアルのプロトタイプを作成した。作成したマニュアルは、教育訓練過程の初期段階および中期段階を想定した典型的な作業サンプルを選定し、「単独運転の可能なサブシステムの運転マニュアル」および「サブシステムの集合運転マニュアル」である。
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