2003 Fiscal Year Annual Research Report
『海東諸国記』研究-「本の歴史」から見る東アジア対外関係史
Project/Area Number |
14510390
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
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Keywords | 海東諸国紀 / 地図 / 写本 / 通信使 / 朝鮮王朝 / 徳川幕府 / 古活本 |
Research Abstract |
平成15年度に、『海東諸国紀』に関する史料を日本国内と韓国で研究活動を行なった。日本では、東京大学史料編纂所、東洋文庫、九州大学附属図書館、松浦史料博物館などで、そして、韓国に行って、韓国国立中央図書館、ソウル大学校奎章閣、ソウル歴史博物館などで関連する史料を調査し、蒐集した。 平成14年度の研究成果も重ねて、日本で行なわれた国際シンポジウムで発表した。その発表内容に新データを付け加えて、より細かく原稿を書いている。特に、平成15年度に、『海東諸国紀』内の地図の十五世紀からの朝鮮王朝地図作成への影響を考えた。一つの研究が十五-十六世紀に集中した。もう一つは、十七世紀に入ってからの『海東諸国紀』の朝鮮での役割を研究した。その役割が十六世紀末までのと同様に、外交上に、朝鮮王朝と徳川幕府間の外交儀礼に使用された。朝鮮王朝通信使に対するのが主な利用であった。ただし、この時期に『海東諸国紀』の地図は国家使用から消えていた。1590年代から日本に渡った朝鮮王朝官僚が作成した地図は見えるようになる。このテーマについて、平成16年度にも、地図と地図作成者の史料蒐集を行なうのである。 『海東諸国紀』写本の調査をも続けてきた。特に韓国で発見した写本に基づいて、2003年に『九州史学』に掲載した論文に紹介した写本系統にもう一つの系統を紹介することができた。原稿は執筆中です。また、『海東諸国紀』の古活本の十七世紀からの保管状況をも調べてきて、古活本がいつ、どこにあったのかということも、部分的ながら、わかるようになった。これからも、日本と韓国で写本の発掘作業を続けるのである。
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Research Products
(1 results)