2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510426
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 秀典 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (20183246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 晃樹 奈良文化財研究所, 技官(研究職) (60359445)
伊藤 淳史 京都大学, 文学研究科, 助手 (70252400)
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Keywords | 中国 / 山西省 / 雲岡石窟 / 瓦 / 北魏 / 遼金 / 平城 / 永固陵 |
Research Abstract |
京都大学人文科学研究所に所蔵する中国山西省大同市雲岡石窟とそれに関連する出土資料を整理した。この資料は、1938年から1944年に人文科学研究所の前身にあたる東方文化学院京都研究所が水野清一らを派遣して発掘したもので、石窟部分については大部の報告書がすでに刊行されているが、雲岡や大同市内の平城遺址および方山の永固陵で発掘・採集した大量の瓦や陶磁器類については、ほとんどが未発表であった。そこで、今年度は日本の古代瓦を研究している大学院生の協力をえて、その整理をおこなった。瓦には北魏代のものと遼金代のものとがあり、その拓本・実測図・写真撮影をほぼ完了した。また、これに関連して、1938年に原田淑人を首班として東亜考古学会が実施した平城遺址および永固陵の出土資料が東京大学文学部に保管され、調査記録の一部が早稲田大学図書館の駒井和愛文庫に収蔵されていることを確認し、その調査と整理をおこなった。このように、わが国に所蔵する資料を整理するいっぽう、中国山西省の現地を踏査し、遺跡の現状を確認するとともに、新中国成立後の新しい研究成果について、現地の研究者と意見交換をおこなった。その結果、北魏の都である平城遺址のプランは、ある程度の復元が可能であり、わが国が実施した上記の調査資料がその研究に十分寄与しうることがわかったのは、大きな成果であった。また、東方文化学院の水野清と日比野丈夫が雲岡の調査に並行して実施した山西省中南部の古蹟調査についても、現状を確認し、その後の新しい研究成果について現地の研究者と意見交換をおこなった
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