2003 Fiscal Year Annual Research Report
中世浄土宗寺院における学問形成についての基礎的研究
Project/Area Number |
14510466
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 匡一 信州大学, 人文学部, 助教授 (40306098)
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Keywords | 浄土宗 / 名越派 / 如来寺 / 良定 / 五重相伝 |
Research Abstract |
浄土宗名越派の中心的寺院であった如来寺(いわき市平山崎字矢ノ目)の聖教調査は、4・5・6・8・10・12・2月の7回、計19日間行った。15年度は、書誌カードの見直し作業を行い、全体(約1300点)の9割の見直しを終えた。16年度には再度の見直し作業を兼ねて、パソコンへのデータ入力を行う予定でいる。 室町時代後期以降、名越派の本山であった専称寺の聖教予備調査は8月に行った。専称寺に残されている聖教の内、如来寺聖教と重複する典籍の確認作業を行った。 専称寺に残される真言宗の行法書との関係を明らかにするため、いわき市内の真言宗寺院である宝聚院(いわき市西小川)の調査を、9・11月に4日間行った。 檀王法林寺の調査は、10月に3日間行った。如来寺蔵『三語集』(戦国期末成立。説草集)の編者である、如来寺十三世良要(良定の伯父)関係の典籍調査を行い、『果号事』、『果号切紙』、『鎮西義一紙相伝』、『浄土鈔相伝法軌詮議式定事』の四点の書誌データと写真の取り込み作業を行った。良要については、ほとんど資料か残されていないため、貴重なデータとなる。また、良定の著作『枕中書』の書誌データ取りを行った。なお、『三語集』については注釈作業に入っており、15年度は、全九十九話のうち二十三話に、語釈、ロ語訳、解説などを施した。 如来寺蔵書の書誌カード見直し作業、専称寺蔵書の予備調査、檀王法林寺の聖教調査と平行して行った、戦国期の学侶良定(袋中)の著作物の確認作業は、名越派の五重相伝を軸に、「袋中の本箱」として『説話文学研究』38号に掲載された。
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Research Products
(1 results)