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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ポーランド<防壁>神話と<ヨーロッパ>像

Research Project

Project/Area Number 14510601
Research InstitutionTOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES

Principal Investigator

関口 時正  東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (40126280)

Keywordsポーランド / 防壁
Research Abstract

15年度においては、現代ポーランドの新聞雑誌におけるprzedmurze(防壁)という表現の現れ方、用いられ方を調査したが、これが予想以上に多くの時間を必要とした。
現段階で確認できたことは以下の通りである。
・15世紀には教皇庁をはじめとする教会関係者の発言としてポーランドが「キリスト教の防壁」であるという表現が多くなされ(ラテン語)、これに対応するポーランド語の表現が種々模索された。ポーランド語からではなく、外部から「防壁」として規定された時代である。
・ルネッサンス期のポーランドでは、ポーランド語が自立しはじめ、シュラフタ層における民族意識の発達が見られたが、それに伴い、「ポーランド人」という自己規定と「キリスト教の防壁」というレトリック、さらにはポーランド民族が古代サルマチア人の子孫であるという別の神話が交流することで、言説が重層化した。
・他国に比べて長いバロック時代では新教のスウェーデン、回教のトルコ、正教のロシアと数多くの戦争をする中で、防壁神話はいっそう強化された。とりわけウィーンにおけるソビエスキ王のトルコ軍撃退はポーランド語空間のみならず、欧州全体に決定的な影響をもたらした。
・18世紀末の三国分割、19世紀の11月蜂起が防壁神話を強化したこと、19世紀後期の実証主義者らがこれを批判したことはすでに明らかにされたが、20世紀にはいってからも、ポーランド・ソ連戦争時、社会主義体制下の抵抗運動にも防壁意識がはたらいていたことがわかってきた。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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