2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520013
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥田 敦 慶應義塾大学, 総合政策学部, 助教授 (50224150)
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Keywords | イスラーム / 人 / 人権 / ラッバーニーヤ / インサーニーヤ / 聖クルアーン / 文化交流 / イスラーム法 |
Research Abstract |
研究3年目の最終年にあたる本年度は、これまでの文献研究、フィールド・ワークに加えて主に講演会の形で研究成果を世に問う年になった。文献研究では、ブーティー『神か人間か』の後半部分およびカラダーウィー『イスラームのフィクフの優先課題』のアラビヤ語原典から日本語への訳出を通じて、イスラームにおける人権論の基本とそれを実現するためのイスラーム法のありようについて考察を深めた。さらに、人間の本来的性質をクルアーンの聖句とその主要な解説書、すなわち、ジャラーライニ、イブン・カシール、タバリー、コルトビーなどによる注釈も踏まえて、詳細な検討を行なった。 フィールド・ワークでは、8月末から1ヶ月弱かけてシリア、レバノン、エジプトを訪問した。シリアではクルアーンの聖句の理解を中心に専門家と1週間にわたる討議を行い、レバノン、エジプトでは関係資料の収集のほか、人間に対する理解の違いが最も克明に現れる、日本との文化交流の現場、数ヶ所の訪問を行なった。 文献研究とフィールド・ワークを通じて「ラッバーニーヤ」(主に向かうこと)と「インサーニーヤ」(人間性)を軸とする人間論を構築できたことが内容面での最大の収穫であった。 研究発表については、ラテンアメリカ政経学会パネルディスカッション.(11月14日)、慶應義塾大学SFCオープンリサーチフオーラム2004(対談およびブース展示、11月23日24日)、日本パレスチナ医療協会(JPMA)講演会(12月4日)、日本ムスリム協会公開講座(12月5日)、同志社大学一神教学際研究センターCOE研究会(12月18日)、西日本ムウミンの会(12月19日)、川崎信用金庫創発塾(1月20日)、SFCキャリア・リソース・ラボ講義(2月8日)、シリア・アレッポ大学学長主催講演会(アラビヤ語、3月26日)において、本研究を通じて得た知見をもとに「イスラームにおける人間」あるいは「人権」を中心とした講演を行なった。
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Research Products
(2 results)