2004 Fiscal Year Annual Research Report
僑郷としての福建省福清地方の社会変容に関する考察-人口移動の治安対策を巡って
Project/Area Number |
14520107
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小木 裕文 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70160786)
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Keywords | 福建省 / 福清 / 中国新移民 / 国際移動 / 中国人犯罪 / ネットワーク / 新チャイナタウン |
Research Abstract |
平成14年度から同16年度までの三年計画において、最終年度にあたる本年度はとりまとめの研究活動と研究成果の仕上に取り組んだ。二年間務めた研究代表者徳岡が本務校退職のため、最終年度は研究分担者小木が新しく研究代表者となり、研究テーマに沿った人的ネットワークの構築、国内外調査、資料収集、関連研究会、学会、国際シンポなどで、報告の聴取・コメント、意見交換などを中心に調査研究活動を行った。 平成16年8月3日から10日まで、シンガポールを訪問し、シンガポール国立大学、福建会館、国家図書館、書店などで資料収集を行う一方、華人の歴史研究で知られるシンガポール国立大学の劉宏副教授、聯合早報編集委員の欧清池博士などと新移民についての意見交換を行った。国内の調査においては、東京池袋に形成されつつある新チャイナタウンと中国新移民の調査を行い、来日中国人が福建省だけではなく、東北地方を中心に拡大している実態を把握することができた。それは、日本における中国人犯罪グループの出身地の拡大分散からも見て取れる。 今年度は日本華僑華人学会、立命館大学国際地域研究所主催の東アジア共同体シンポに参加し、文化セクションのコメントを行った。このシンポに参加していた南洋大学南洋研究所の庄国土院長、李国梁教授、劉暁民副教授と意見交換を行ない、最新の福建人移民関連の資料を入手できた。研究成果としては、「福州新移民の動向と僑郷の変容について」『問題と研究』33巻11号(2004年8月刊)、「新馬華文文学研究在日本」『新世紀学刊』第4期(2004年10月)、「華人の言語と教育」『華人社会を知る』(山下清海編著 明石書店 2005年4月刊行予定)などがある。今後、研究協力者徳岡仁氏(前研究者代表)と中国からの非合法移民と犯罪についての論文を公表する予定である。
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Research Products
(2 results)