2002 Fiscal Year Annual Research Report
企業家精神と革新的企業の成長―歴史、計量、事例による実証研究―
Project/Area Number |
14530150
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
久保 文克 中央大学, 商学部, 教授 (00256017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 裕司 中央大学, 商学部, 助教授 (00328030)
秋澤 光 中央大学, 商学部, 助教授 (60328028)
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Keywords | 企業家精神 / 革新的企業 / 企業成長 / 企業者活動 / アントレプレナー / アントレプレナーシップ / イノベーション / 新事業活動 |
Research Abstract |
本研究の初年度に当たる平成14年度は、前半において3人による理論的基礎づくりを行いつつ共通のプラットフォームを確立した上で、アンケート調査のためのフレームワークづくりおよびアンケートの具体的質問項目の作成を行った。 そして、(株)東京商工リサーチのデータベースにもとづいて、東京都内に存在する機械製造業・電機製造業・通信業・情報サービス業関係の約10,000社を対象に、2002年秋にアンケート「我が国企業の新事業活動に関する調査」を実施し、約2000社からの回答を得ることができた。目下そのアンケート結果をデータ入力する作業がほぼ完了しつつある。 それを踏まえて、次年度の平成15年度に向けてアンケート結果を分析し、リーダーがトップの座を維持する、フォロアーがキャッチアップないし逆転する、といったダイナミックな成長を企業にもたらし、結果として、企業間競争において優位な地位を獲得するにいたった主体的条件とは何か。この点を解明すべく、成長企業に革新的企業者活動をもたらした企業家精神(アントレプレナーシップ)の要素と役割は何か、そして経営戦略とそれにいたる意思決定を、とりわけ新規事業展開をめぐるイノベーションとそれにいたる革新的な戦略意思決定プロセスを考察することによって解明し、学会報告および論文公刊という形で研究成果を公開していきたいと考えている。 その際、経営史研究・計量分析研究・先端事例研究の方法論的三角測量という学際的研究のメリットを最大限生かしつつ、企業に成長をもたらす企業家精神とは何か、企業成長をもたらす経営者を中心とする主体的条件とは何かという、シュムペーター以来の経営学・経済学の大命題であり、最大のブラックボックスでもあった命題にチャレンジし、少なからぬインプリケーションを抽出したいと思う。
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