2003 Fiscal Year Annual Research Report
複式簿記システムの弾力性と今日的機能に関する研究-会計理論と複式簿記の関連-
Project/Area Number |
14530170
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Research Institution | KAGAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井原 理代 香川大学, 経済学部, 教授 (90036038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 尚紀 香川大学, 経済学部, 助教授 (50346631)
桑原 正行 香川大学, 経済学部, 助教授 (50325312)
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Keywords | 複式簿記システム / 会計理論 / 会計制度 / 新会計基準 / 会計実務 / 簿記処理 / 簿記教育 / 純資産簿価 |
Research Abstract |
複式簿記システムは、固有の役割をもつゆえに固定的なシステムと捉えられがちである。しかし、そのシステムは会計思想や会計制度との関連において弾力的であり柔軟に変容しているのではないか。そうでなければ、近年の企業会計制度の大改革のもとで、複式簿記システムは存在意義を弱めることになるのではないか。こうした問題意識のもとに、平成14年度には、ドイツ貸借対照表論およびアメリカ近代会計学の諸学説における会計理論と複式簿記の理論との相関関係を主として研究した。 このような理論間の整合性の観点に続いて、平成15年度は制度的あるいは実務的観点から複式簿記システムの変容を考察することに力点を置いた。すなわち、井原は、近年の企業会計制度の大改革と簿記処理のあり方について検討し、特に時価評価の導入に対応した簿記処理、連結会計における簿記処理に関して論点整理し、研究成果の公表に向け準備中である。なお、その論点整理を踏まえ、今年の日本簿記学会全国大会の統一論題「新会計基準と簿記」の座長を務める予定である。 桑原は、アメリカのコロンビア大学で収集した史料等により、19世紀のアメリカにおいて会計実務と複式簿記とが相互の関連性があったのかどうかを考察し取り纏め中である。アメリカにおける複式簿記の歴史研究の対象は主に20世紀初頭の大学用のテキストであったので、新たな知見を得られるものと考えている。 辻川は、複式簿記によって算出された純資産簿価と企業価値との関連性に関して、理論と実証の両側面からの分析を行っており、その考察によって複式簿記の今日的意義を浮き彫りにする研究成果の公表を行う。 井原、桑原、辻川3名共に、従来の経済学部から本年(平成16年)4月開設の専門職大学院へ移籍しその諸業務のため、研究成果の公表が遅れているが、早急に取り纏める。
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Research Products
(1 results)