2002 Fiscal Year Annual Research Report
次世代線形加速器における高精度高安定ビーム光学制御の研究
Project/Area Number |
14540288
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
古川 和朗 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00190132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪田 剛 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (20236061)
上窪田 紀彦 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (10183782)
小川 雄二郎 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (70177145)
紙谷 琢哉 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (20211857)
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Keywords | 線形加速器 / ビーム光学 / ビームモニタ / 安定度 / エネルギー幅 / エミッタンス / 多電極 / 非破壊 |
Research Abstract |
線形加速器は高エネルギー素粒子物理実験や放射光実験において重要な役割を果たしているが、その性能をさらに高めることによって、実験成果を向上させることが可能である。特にその安定度を向上させるために、加速ビームの光学的特性を実時間で把握し、加速器モデルを精度よく構築することが重要になってきている。ビームエネルギー幅やエミッタンスを非破壊で高速に測定することができれば、フィードバック機構により、大幅にビームの安定度が向上することが期待される。 電気的にビームの情報を取得する方法の一つとして、ストリップライン型のビーム位置モニタを利用する方法があるが、このようなビームモニタから通常はビームの強度、X, Y方向の位置の3つの情報を取得する。しかし、その他にX, Yのビームサイズ比に関する情報を取得することができる潜在可能性がある。もしもそれができれば、ビームラインの情報等と組み合わせることによって、ビームエネルギー幅やエミッタンスを導出することが可能になる。もちろん、その信号は弱く工夫が必要とはなる。 今年度はまず、その信号を効率良く取り出すために、電極の数を通常の4つではなく8つのものを使用し、さらに高速に情報を収集して、統計処理を施す試験を行った。具体的にはKEKB入射器の、ディスパージョン関数が大きな場所に新型のビーム位置モニタを設置し、エネルギー幅が測定できるかどうか調べてみた。その結果、試行錯誤の末、十分有用であることがわかった。 さらに同様な工夫により、加速器の直線部分のディスパージョン関数がない場所でエミッタンスの変動を測定できると期待される。また、今回開発された高速ビームモニタ読み出しの仕組みは通常のビームモニタにもそのまま利用でき、既存のビームフィードバックシステムにも適用が可能であると思われる。 平行して、海外の加速器研究所において同様な工夫をしているかどうか、また参考にできるかどうか国際会議に参加したり、研究所を訪問したりして調査した。その結果、ビームトランスポートラインでのビームの縦横比を測定しようとしている例があったが、我々の加速器にはそのままは適用できないことがわかった。また、エネルギー幅の測定を試みている研究所はなさそうであった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Suwada, M.Satoh, K.Furukawa: "Nodestructive beam energy-spread monitor using multi-strip-line electrodes"Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams. 6. 032801-1-032801-8 (2003)
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[Publications] T.Suwada, K.Furukawa, T.Kamitani, Y.Ogawa et al.: "Measurement of positron production efficiency from a tungsten monocrystalline target using 4-and 8-GeV electrons"Physical Review E. 67. 016502-1-016502-8 (2003)
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[Publications] H.Okuno, K.Furukawa, T.Kamitani, Y.Ogawa, T.Suwada et al.: "Experimental study of positron production from a W single crystal by the KEK 8-GeV electron linac beam"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B : Beam Interactions with Materials and Atoms. 201,1. 259-265 (2003)
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[Publications] K.Furukawa et al.: "Present Performance and Future Upgrade of the KEKB Electron Linac"Proceedings of XXI International Linear Accelerator Conference. (2002)
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[Publications] T.Kamitani et al.: "KEKB Injector Linac Status Report and Future Upgrade"Proceedings of the Eighth European Particle Accelerator Conference(EPAC'02). 1088-1090 (2002)
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[Publications] T.Suwada, K.Furukawa, T.Kamitani, Y.Ogawa et al.: "Positron-Production Experiment in Tungsten Crystal using 4 and 8-GeV Channeling Electrons at the KEKB Injector Linac"Proceedings of the Eighth European Particle Accelerator Conference(EPAC'02). 509-511 (2002)