2003 Fiscal Year Annual Research Report
波形インバージョンによる地球内部不連続面凸凹構造の推定
Project/Area Number |
14540393
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ゲラー ロバート 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40170154)
|
Keywords | 地球内部構造 / Direct Solution Method / 理論波形 |
Research Abstract |
本研究の目的は、広帯域波形データの詳細な解析により、地球内部不連続面の凸凹構造を高精度かつ高解像度に推定することである。本年度は、詳細な凸凹構造推定に必要な理論計算手法の定式化およびソフトウェアの開発を行った(水谷ら2003年地震学会等)。以下に具体的な成果を述べる。 (1)我々の開発した高精度理論波形手法を拡張し、一般形状の固液境界を持つ媒質に対して、高精度理論波形計算を可能とした(水谷ら2003年地震学会等)。また従来の理論波形計算手法では固液境界の取り扱いが不十分であったために理論波形計算手法の効率が良くなかったこと、および本研究によりその問題が解決されたことを示した。本研究により、正確に一般形状に対する固液境界を考慮することが可能なため、波形データそのものを用いた内部構造推定(波形インバージョン)の解像度の改善が期待できる。 (2)ノード上にない震源に対する高精度離散化手法を導出した(Takeuchi and Geller,2003)。従来の研究では、震源はノード上にあると仮定していたが、本研究では任意の点震源を扱うことが可能である。また、誤差を最小にするように離散化を行うことにより、計算精度が大幅に向上した。 (3)従来の波形計算の離散化手法研究のレビューを行った(Geller et al. 2003)。離散化手法には魅力的かつ未解決な問題が数多く残っていること、および手法の開発の必要性を再認識した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Geller, R.J., T.Hara: "Geophysical aspects of very long baseline neutrino experiments"Nucl.Instr.Meth.Phys.Res.A. 503. 187-191 (2003)
-
[Publications] Takeuchi, N., R.J.Geller: "Accurate numerical methods for solving the elastic equation of motion for arbitrary source locations"Geophys.J.Int.. 154. 852-866 (2003)
-
[Publications] Geller, R.J., N.Takeuchi, H.Mizutani, N.Hirabayashi: "Methods for computing synthetic seismograms and estimating their computational error"Mathematical and Numerical Aspects of Wave Propagation, eds.Cohen, G.C., Heikkola, E., Joly, P., and Neittaanmaki, P.. 754-758 (2003)