超音速内部流れにおける衝撃波と乱流境界層の非定常干渉現象の解明

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550136
• Research Institution: Muroran Institute of Technology
• Principal Investigator: 杉山 弘 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70002938)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 笠原 次郎 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (60312435) ; 新井 隆景 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10175945) ; 溝端 一秀 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (00271875)
• Keywords: 擬似衝撃波 / 衝撃波・境界層干渉 / 超音速流れ / 乱流 / レーザードップラー流速測定(LDV) / パーティクルイメージング流速測定(PIV) / シュリーレン法 / スクラムジェット

Research Abstract

本研究は、次世代の宇宙往還機エンジンとして期待されているスクラムジェットエンジンの流体力学的特性を解明し最適設計指針を得ることを目標として、それを模擬した矩形ダクトの内部の衝撃波・境界層干渉流れの構造・特性を解明する事を目指している。そのための測定系として、高分解能・高安定性のパーティクルイメージング流速測定系(PIV)を構築することを目的として、以下の事項に取り組んだ。
1.トレーサー粒子のシーディング方法として、超音速風洞整流筒に直接水粒子を注入するインピンジ型ノズルを用いて、粒子径および流れ追随性の適否を検討した。風洞内気流による微粒化効果(Air-assisted Atomizing)を活用することによって粒径1μm程度の水粒子が得られ、良好な流れ追随性が達成された。
2.粒子画像に含まれる誤差やノイズの主要原因である風洞とカメラの相対位置の乱れを改善するために、高剛性高精度のトラバース機器および高精度の各種光学機器を適切に配置・調整し、最高水準の剛性・精度を有する光学計測システムを構築した。これによって流速測定の誤差は2.6%程度に低減された。
さらに、矩形ダクト内の壁面境界層の乱流剥離構造を詳細に調べるために、以下の事項に取り組んだ。
3.ダクト壁面上の非定常な剥離流れによる摩擦力分布の変化を捉えるために、剪段力感応液晶を本補助金によって購入し、摩擦力分布の可視化を試みた。
4.ダクト壁面において衝撃波・境界層干渉現象にともなう圧力分布の高速変化を捉えるために、高速応答型圧力センサーを本補助金によって購入し、ダクト壁面圧力を測定した。
これらの測定法とシュリーレン法およびレーザードップラー流速測定(LDV)を組み合わせることによって、矩形ダクト内のマッハ4および2の超音速流れにおける衝撃波・境界層干渉講造が明らかにされた。(778字)

Research Products

• [Publications] 杉山弘, 福田浩一, 溝端一秀, 遠藤清和, 孫立群, 新井隆景: "衝撃波を伴う超音速内部流動に関する研究(超音速内部流動実験装置の開発およびマッハ2と4の擬似衝撃波の特性)"日本機械学会論文誌(B編). 68巻676号. 67-73 (2002)
• [Publications] 福田浩一, 杉山弘, 溝端一秀, 遠藤清和, 孫立群, 広島敬之: "衝撃波を伴う超音速内部流動に関する研究(マッハ4擬似衝撃波の内部構造に関する実験的研究)"日本機械学会論文誌(B編). 未定(掲載決定済み). (2003)