2002 Fiscal Year Annual Research Report
フレッシュコンクリートの物性の経時変化を考慮した施工設計システムに関する研究
Project/Area Number |
14550470
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
熊野 知司 摂南大学, 工学部, 助教授 (40340856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頭井 洋 摂南大学, 工学部, 教授 (30236062)
矢村 潔 摂南大学, 工学部, 教授 (30026257)
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Keywords | 高流動モルタル / レオロジー定数 / 経時変化 / 安定度比 / 粒子間ポテンシャルエネルギ |
Research Abstract |
本研究は、時間の経過や圧力の作用など施工上の諸条件がフレッシュコンクリートの物性の変化に及ぼす影響を明らかにし、施工上の要求性能からフレッシュコンクリートに要求される物性(レオロジー定数)を導出した上で、それを満たすコンクリートの配合を決定するシステム、いわゆる施工設計システムを構築することを目的としたものである。このシステムを構築する上では様々な要素研究が必要となるが、本年度は、このシステムの最も特徴的で重要な位置を占める時間の経過に伴うフレッシュコンクリート(モルタル)のレオロジー定数の変化を予測する手法について実験的な検討を行った。実験要因として、高性能AE減水剤の種類および添加率、温度、水粉体容積比、セメントの種類、単位細骨材量を選定し、練り上がり5分後から180分後までのレオロジー定数をB型粘度計を用いて測定した。その結果、高性能AE減水剤添加率が小さいほど、温度が高いほど、水粉体容積比が小さいほど、レオロジー定数の経時変化が大きくなること、普通ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントに比べて早強セメントの経時変化が大きくなること、等のデータを収集した。また、不活性な粉体である石灰石微粉末を用いた実験の結果、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いた場合には、全くといってよいほど経時変化がないこと、ナフタレン系高性能減水剤を用いた場合には不活性な石灰石微粉末であっても経時変化が観察されることを示した。これらの基礎的データを基にナフタレン系高性能減水剤に対して服部・和泉らが開発した経時変化予測手法をポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いた場合に拡張することを試みた。これまでの実験結果より、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いた場合の粒子間ポテンシャルエネルギーにセメントの水和や硫酸イオンの存在の影響により、ピークが現れると仮定し、凝集速度論に基づいてレオロジー定数の経時変化予測モデルを構築した。 次年度は、この予測モデルの適用範囲と問題点を探るとともに、充填照査システムの構築に取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 福島健, 熊野知司, 矢村潔 他: "圧力の作用が高流動モルタルのレオロジー定数の変化に及ぼす影響"平成14年度土木学会関西支部年次学術講演会講演概要. V. (2002)
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[Publications] 福島健, 熊野知司, 矢村潔 他: "高流動モルタルのレオロジー定数の経時変化の予測に関する一考察"土木学会第57回年次学術講演会講演概要集. V. (2002)