2004 Fiscal Year Annual Research Report
災害弱者の火災時安全を担保する高規格避難施設の設計規準と設置誘導方策に関する研究
Project/Area Number |
14550611
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 英祐 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50167011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 士郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029164)
横田 隆司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20182694)
飯田 匡 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40335378)
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Keywords | 車いす / 避難 / 火災 / 避難階段 / 一時待機場所 / 屋外避難スロープ / 設計者の意識調査 / 誘導・支援方策 |
Research Abstract |
1.高規格避難施設の実現可能性の検討 昨年度に引き続き、単に障害者の避難安全性を確実に担保するだけでなく、平常時の居住性、快適性、日常利便性の向上につながる避難施設はどうあるべきか、またそれにより、日常的な認知しにくさ、日常動線と避難動線の乖離、避難施設の倉庫化という、現行の避難施設における防災上の問題点の解消ないしは緩和するデザインの可能性を検討した。 2.屋外スロープ設置のデザイン手法の分析 福祉のまちづくり条例やハートビル法の施行により、あらたに車いす用スロープが設置された事例を収集・分析し、そのデザイン処理、設置位置、動線処理等に基づき、スロープのデザイン手法の類型化を行った。 3.高規格避難施設に対する認知度および有効性の評価に関する設計者の意識調査 医療・福祉施設、高齢者施設、障害者施設の設計経験者36名を対象に、高規格避難施設設置としての「屋外避難スロープ」と「屋内避難階段の一時待機場所」に対する認知度、それらを設置した場合の有効性、設計上の問題点、設置した場合の平面計画への影響に対する設計者の意識調査を実施した。その結果、屋外避難スロープより一時待機場所に対する評価が高くなった。 4.高規格避難施設普及のための緩和・誘導策に関する設計者の意識調査 3と同様、ハートビル法の改正により導入された「床面積からの除外による容積率の算定の緩和」と「融資制度による支援」の認知度と、それらを高規格避難施設の普及に提供した場合の有効性に対する設計者の意識調査を実施した結果、70〜80%の回答者が多少なりとも有効性を認める結果を得た。 以上の調査検討を通して、最終年度に向けて高規格避難施設の設計基準案作成に必要となる基礎資料を得ることができた。
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Research Products
(6 results)