2005 Fiscal Year Annual Research Report
災害弱者の火災時安全を担保する高規格避難施設の設計規準と設置誘導方策に関する研究
Project/Area Number |
14550611
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 英祐 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50167011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 士郎 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70029164)
横田 隆司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20182694)
飯田 匡 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (40335378)
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Keywords | 車いす / 避難 / 多段型スロープ / 長大スロープ / 走行性評価 / 曲線スロープ |
Research Abstract |
1.長大スロープの問題点の整理 長大スロープを直線型、つづら折り型、曲線型(円弧型、スパイラル型)とそれらの複合型に分類し、長大スロープを車いすで利用するときの問題点を、日本および海外のスロープ設置基準に照らして整理した。 2.長大スロープの設置実態の調査 (1)日本のスロープ設置基準ぎりぎりで設計された直線スロープは車いすでの上りが困難であり、下りは加速がついて踊り場内の停止が困難である。 (2)曲線スロープは視覚的に美しくデザイン性が高いが、車いす単独での使用が禁止されているところがある。その理由は、踊り場間隔が長く特に下り時の加速が大きく恐怖感があり、踊り場内での停止が困難であること、および下り時に曲線に沿った走行が困難であることがあげられる。 (3)避難用スロープを設置している施設に、普段の管理状況や避難時の問題点、それに代わる多段型スロープの有効性についてヒアリングを行い、おおむね高い評価を得た。 3.実在する準多段型スロープにおける車いすの走行性評価実験 踊り場の設置最低基準を大きく上回っている実在の長大スロープ(準多段型スロープ)において、車いすによる上り走行と下り走行による走行性の評価実験をおこない、その走行性評価の高さを確認した。 4.多段型スロープの曲線型スロープへの適用性の寸法的検討 スロープユニットの矩形の踊り場を、上底で1.5m以上確保した台形に変形し、スロープユニットを連続させることで、曲線スロープを多角形近似させた曲線多段型スロープの可能性と、円弧部の中心角、スロープ両端の高低差・台形の踊り場の角度をパラメータとしたさまざまなバリエーションが可能なことを示した。また、曲線スロープが車いすでの昇汞に適していない理由を理論的に解明した。 5.研究のとりまとめ 過去4年間の成果をふまえ、車いすでの避難安全性を担保する高規格避難施設を提案した。
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Research Products
(3 results)