2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550659
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岩崎 博 立命館大学, 理工学部, 教授 (50005857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 尚武 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066722)
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Keywords | 放射光 / X線回析 / 異常散乱 / 結晶構造解析 / 多層膜分光器 |
Research Abstract |
研究代表者らは放射光が連続波長スペクトルを持つ高輝度光であることに着目して、新しい回折法「波長変調回折法」を創案し、従来の回折法では得られない、物質のミクロ構造に関する情報が引き出せることを示した。そして有機物結晶を対象とし、原子の吸収端近傍の波長を用いてBragg反射を記録し、X線の異常散乱現象によって反射の強度プロフイルに現われる強度勾配から結晶構造因子の「位相」を導出することに成功した。 本研究においてはこの波長変調回折法を発展させ、「wide band波長X線回折法」とも名付けるべき新しい方法を開発することを目指した。この方法では、結晶分光器を時間的に変動させて波長幅を持つX線ビームを作り出す代わりに、深さ方向に膜の厚さを変化させて作った特殊な多層膜分光器を導入し、多層膜による反射・干渉により約0.1mmの波長幅を持つ平行X線ビームを作り出し、それを回折実験に用いる。分光器は固定したままでよく、十分な強度を持つビームが得られる。立命館大学の放射光源に設置してあるX線回折ビームラインにこの多層膜分光器を取り付けて試験を行った結果、目的以上の良質なX線ビームが得られた。波長幅の中に原子の吸収端波長を含めることによって異常散乱現象を生じさせ、強度プロフイルに現われる強度勾配が精度良く効率的に記録できることがわかった。これにより本研究で開発した方法が結晶学の広い範囲へ応用可能という十分な見通しが得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Koganezawa: "Phase Determination by Wavelength-Modulated Diffraction. II."Acta Cryst.. A58(Suppl). C84 (2002)
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[Publications] T.Koganezawa: "Phase Determination by Wavelength-Modulated Diffraction"Mem. SR Center Ritsumeikan University. 5(in press). (2003)