2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550710
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
時末 光 日本大学, 生産工学部, 教授 (70059319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 敏勝 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059891)
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Keywords | 摩擦肉盛 / 肉盛金属 / 肉盛材 / 異種材 / アルミニウム合金 |
Research Abstract |
研究代表者らが蓄積したアルミニウム合金の摩擦圧接データベースおよび5052アルミニウム合金同種肉盛材の実験結果を参考に,基材に5052アルミニウム合金板を,肉盛金属に2017アルミニウム合金丸棒を用いて,主軸回転数(肉盛金属の回転数):13.3〜23.3s^<-1>,摩擦圧力:25〜40MPa,送り速度:9mm・s^<-1>の条件を組合せて同系異種材の摩擦肉盛に関する実験を行った。その結果,(1)肉盛層の表面には肉盛金属の回転による円弧状の模様が観察され,この模様は肉盛条件に関係なく肉盛金属の回転数の増加に伴い微細となり,かつ肉盛層の幅は狭くなった。肉盛層の厚さは摩擦圧力の大小に関係なく肉盛金属の回転数の大小が顕著に影響した。(2)肉盛層の横断面組織は,巨視的には摩擦圧力が小さい場合は肉盛金属と基材の境界部は明瞭に観察され,肉盛層の両端に未接合部が観察された。しかし摩擦圧力の増加に伴い肉盛金属と基材との境界は不明瞭となり,肉盛層両端部の未接合部は消滅した。微視的には基材,肉盛金属ともに接合界面近傍の組織はそれぞれの母材に比較して微細化した。(3)肉盛後の室温における時効硬化により基材部に軟化域が認められた。また,肉盛層表面の硬さは120HKと著しく高い値を示した。(4)肉盛層の厚さを全厚さ(基材+肉盛層)の20%に切削加工によって調整した試験片による引張強さは,摩擦圧力の増加に伴い高い値を示し,摩擦圧力40MPaの条件で最高値267MPaを得た。伸びは摩擦圧力35MPa以上で5052合金母材を越える高い値を示した。 圧延による積層板の素材作製のための基礎実験として幅広の肉盛材の作製を試みた。すなわち肉盛方向に垂直に基材の直径分を移動し,肉盛層の端部に数mm肉盛金属が重なるように調整して肉盛を行い,幅広の肉盛材の作製が可能なことを得た。
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