2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550728
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大谷 利勝 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 和義 日本大学, 生産工学部, 教授 (10060104)
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Keywords | 光造形法 / 光硬化性樹脂 / 石膏鋳型 / 焼成速度 / ガス圧力 / 消失鋳造法 |
Research Abstract |
本研究は光造形法で製作した樹脂模型を金属に転写することを検討したものであり、この技術が確立されれば設計、試作、性能試験までの期間が大幅に短縮できる。金属への転写は、樹脂模型を石膏鋳型に埋没し、この鋳型を加熱して、樹脂を燃焼・消失させる消失模型鋳造法とした。しかし、鋳型焼成時に鋳型に亀裂・破損が発生するという問題が生じた。 本年度得られた成果は以下のとおりである。石膏と樹脂の熱膨張率を測定した結果、石膏より樹脂の方が約2%大であった。また、鋳型焼成時に樹脂の燃焼に伴いガスが発生する。鋳型破損の主原因がガス圧力によるものと考え、鋳型の昇温速度を2および20K/minと変化させてガス圧力を測定したところ、昇温速度2K/minでは、長時間にわたりガスが発生したが、最大ガス圧力は20K/minの場合と比較すると1/5程度に減少した。また、鋳型の破損状態を観察すると、2K/minでは破損が認められなかったが、20K/minでは破損した。 このように鋳型の昇温速度を小とすると、鋳型破損が認められなくなることが明かとなったので、樹脂燃焼に伴いガス発生から終了する間の昇温速度のみ1K/min、他の昇温速度は20K/minの条件で行った結果、鋳型に亀裂は認められず、全加熱時間が短縮できた。 また、石膏鋳型より製品の表面粗さは劣るが、石膏より安価であるけい砂を使用し炭酸ガス鋳型でも行った結果、石膏よりけい砂の方がはるかに通気度は大なので鋳型に亀裂は生じなかった。 現在、各種の光硬化性樹脂があるが、今後は、本法に適した樹脂、すなわち燃焼時にガスの発生量が少ない樹脂を調べ、実験を継続する予定である。また、本研究の成果をまとめたものを鋳造工学会に投稿する予定である。
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