2002 Fiscal Year Annual Research Report
転相乳化化学粉砕法による発泡ポリスチレンを素材とした複合ナノパーティクルの調製
Project/Area Number |
14550733
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 眞人 新潟大学, 工学部, 教授 (40018495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勇雄 新潟大学, 大学院・自然科学研究所, 助教授 (00169921)
田口 佳成 新潟大学, 工学部, 助手 (30293202)
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Keywords | 複合ナノパーティクル / 機能性微粒子 / 転相乳化 / 化学粉砕 / 湿式複合化 / リサイクル / 液中乾燥 / 発泡ポリスチレン |
Research Abstract |
本年度実施し、得られた結果は以下のようである。 (1)発泡ポリスチレンを溶解し、かつ、環境に負荷をあたえない溶媒としてリモネンを、また、この溶液と相溶性がなく、かつ、沸点の高い溶媒としてエチレングリコールを連続相としてそれぞれ選択し、微粒子生成のための必要な条件を満足するかどうかについて検討した。 そして、これらの液・液系が微粒子調製のための不可欠な条件、すなわち、ある境界値以上の界面エネルギーを呈して安定な液・液分散系を調整しうること、両溶媒の沸点の相違から微粒子調製のための溶媒置換法が適用できること、などを明らかにした。 (2)上記液・液分散系め調整後、溶媒置換法(液中乾燥法)により、ポリスチレン微粒子が調製できることを明らかにした。さらに、液・液分散系を生成する場の機械的エネルギーのレベルにより、また、両液相に溶解する溶媒、すなわち両親媒性液体を添加して液・液相間に物質移動を生起させて界面エネルギーを低下させることにより、生成微粒子のサイズをミクロンオーダーからナノオーダーまでコントロールすることが可能であることを明らかにした。さらに、生成ミクロスフェアの平均粒径の転相時の液・液物性(連続相の注入速度、界面張力、粘度)への依存性を明らかにし、粒径制御に関する必要な知見を得た。 以上のことより、発泡ポリスチレンを溶解した分散相(リモネン)と連続相(エチレングリコール)からなる液・液系を採用して、転相乳化による微粒子調製のための基礎的な条件が確立された。
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