2002 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン-ハイドロタルサイト複合体の徐放特性
Project/Area Number |
14550804
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津波古 充朝 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60068335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 太郎 大阪大学, 総合学術博物館, 教授 (50107083)
中山 尋量 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40189080)
|
Keywords | シクロデストリン / ハイドロタルサイト / 徐放特性 |
Research Abstract |
三年計画の初年度は、ゲスト分子としてスルホン化α-シクロデキストリン、スルホン化β-シクロデキストリン、ホスト化合物としてMg-Al型ハイドロタルサイトを用いてシクロデキストリン-ハイドロタルサイト複合体の合成条件の検討および得られた複合体のキャラクタリゼーションを行った。使用したスルホン化シクロデキストリンのスルホン酸基置換度は、一分子あたり平均9で、かなり陰イオン性の強いゲスト分子である。ハイドロタルサイトへのインターカレーション反応は一般にイオン交換によって進行するため、容易に進行すると予想されたが、意に反してかなり進行が遅いことがわかった。様々な反応条件を検討した結果、塩素型ハイドロタルサイトを用いたイオン交換法よりもむしろ再構築法を用いた方がより反応がスムーズに進行することが明らかとなった。再構築法での最適反応条件は、pH1.5,60℃,4mMであった。 得られた複合体をXRD, solid-state NMRによりキャラクタリゼーションを行った。層間距離は、1.62nmでα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン共に差はなかった。また、シクロデキストリンは、分解を受けることなく層間に保持されていることが、NMRの結果より明らかとなった。これらのことからシクロデキストリンは、その空洞をハイドロタルサイトの平面層が蓋をするような形で存在しており、徐放性製剤のホストとしては、問題を残した。この原因としては、スルホン化α-シクロデキストリンの負電荷があまりにも大きいためとも考えられ、次年度以降は、置換度の小さいシクロデキストリンや薬物を包接させたシクロデキストリンのインターカレーション反応を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hirokazu Nakayama: "Synthesis of A New Template Free Microporous Silicoaluminophosphate (Si_2AIP_3O_<13>) and its Characterization by Solid-State NMR"Microporous Mesoporous Mater.. 51・1. 7-15 (2002)
-
[Publications] Aki Hayashi: "Intercalation of 2-Aminoethanethiol into Layered Titanium Phosphate and its Adsorption of Hevy Metal Ions"Bull. Chem. Soc. Jpn. 75・9. 1991-1996 (2002)