2003 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の骨破壊機能を選択的に阻害する微生物代謝産物の作用機構解析
Project/Area Number |
14560079
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (20272693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (00312653)
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収抑制剤 / 骨粗鬆症 / アポトーシス / リベロマイシン / デストラクシン / 微生物代謝産物 / 機能発現 |
Research Abstract |
申請者らは、臨床応用が可能な骨吸収抑制剤を得る目的で、破骨細胞の分化及び成熟破骨細胞の機能発現過程に作用する活性物質を微生物代謝産物中から探索し、デストラクシンとリベロマイシンが破骨細胞の分化や融合に作用せず、活性化破骨細胞のみに作用し、破骨細胞による骨吸収を抑制することを見出した。デストラクシンとリベロマイシンの作用の解析や動物における骨吸収抑制効果の検討は、副作用が少ない骨吸収抑制剤開発のための基礎的な知見を与えるものと期待される。 本研究では、リベロマイシンについては、甲状腺・副甲状腺摘出(TPTX)ラットにおける副甲状腺ホルモン(Parathyroid Hormone)投与による血中カルシウム上昇に対する効果を検討し、デストラクシンについては、動物試験に必要な量を得るために生産株の大量生産条件および精製を検討した。TPTXラットにリベロマイシンを投与(40mg/Kg)した結果、5時間後血中のカルシウム濃度は対照群より低いレベル(6mg/dl以下)まで減少したが、その12時間後はコントロール群のレベル(約10mg/dl近く)まで上昇した。リベロマイシン80mg/Kg投与では18時間後まで低いカルシウムレベル(約6-7mg/dl)が維持されたが、その24時間後はコントロール群のレベル声で上昇した。リベロマイシン投与動物骨における破骨細胞や骨芽細胞の分布などを解析した結果、破骨細胞数だけでなく骨芽細胞数も減少した。これらの結果から、リベロマイシンは短時間で骨吸収を抑制するが、その効果を維持するためには投与法の更なる検討が必要であると思われる。 デストラクシン生産株を60種類の組成の異なる培地に培養し、デストラクシン生産量をHPLCにより検討した結果、数100mg/Lの生産を可能とする培養条件を見出し、現在精製を進めている。この大量精製デストラクシンによってTPTXなどの骨吸収促進モデル動物での効果を検討することが可能となった。
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[Publications] J-T Woo, H Nakagawa, M Notoya, T Yonezawa, M Ohnishi, K Nagai: "Quercetin suppresses bone resorption by inhibiting differentiation and activation of osteoclasts"Biological Pharm.Bull. 27(印刷中). (2004)
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[Publications] Nakagawa H, Takami M, Udagawa N, Sawae Y, Suda K, Woo JT: "Destruxins, cyclodepsipeptides, block the formation of actin rings and prominent clear zones and ruffled borders in osteoclasts."Bone. 33. 445-455 (2003)
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[Publications] J Ding, K Nagai, JT Woo: "Insulin-dependent adipogenesis in stromal ST2 cells derived from murine bone marrow."Biosci.Biotechnol.Biochem. 67. 314-321 (2003)