2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木南 章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 宏典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00183666)
李 哉ひょん 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60292786)
木下 幸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90323477)
内山 智裕 三重大学, 生物資源学部, 助手 (80378322)
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Keywords | コメ流通 / 不確実性 / リスク / 入札取引 |
Research Abstract |
コメ流通の自由化に伴う不確実性の増大が、生産者、農協、卸売業者等に与える影響について、理論と実証の両面から分析を行った。 第1に、コメの価格形成の中心的役割を果たしている全国米穀取引・価格形成センター(旧:自主流通米価格形成センター)における自主流通米の入札取引の実態調査を行った。入札制度の仕組み、価格形成のメカニズム、売り手・買い手の経済行動、産地銘柄間の価格連動性、価格の年次内変動・年次間変動などの実態を明らかにした。以上について、オークション理論を用いて経済学的に評価と分析を行うとともに、入札取引制度の改革に関する考察を行った。また、コメの需給構造全体の中で、コメの入札取引が果たす役割を相互関係から明かにし、入札取引の価格形成、およびそこから発生するリスクがコメ流通全体に波及する仕組みについて分析した。 第2に、生産現場からみたコメ流通のリスクマネジメントでは、コメの生産・流通のあらゆる面に影響を与えつつあるコメ政策改革の1つの柱である「水田農業ビジョン」に着目し、コメ政策改革に対応した生産現場の取り組みについて、リスクマネジメントの観点から整理を行った。そして、生産現場で販路確保を至上命題として取り組まれているコメのブランド化、転作作物の商品開発などのリスク対応が、「需要に応じたコメ作り」実現の条件となることを示した。 第3に、国際的な視点から分析を行なうため、韓国のコメ流通についての分析を行なった。政府の価格支持に支えられた高い国内米価と安価な輸入米との競争を、ブランド米市場形成により国産米にアドバンテージを与えようとする政府の思惑が、高品質のコメ生産への誘導や卸売りなどの中抜きとして表れているのが、近年の韓国コメ市場に見られる最も大きい特徴である。そこで、韓国のブランド米市場の実態調査を行い、ブランド米と称されるコメの価格や流通構造について分析した。
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Research Products
(2 results)