2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規Rasファミリー蛋白質Rhesの神経細胞における機能の解析
Project/Area Number |
14570125
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
苅谷 研一 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40263371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海川 正人 琉球大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00325838)
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Keywords | Rasファミリー / 神経細胞 |
Research Abstract |
Rhesは脳に発現するRasファミリー低分子量G蛋白質であるが、その細胞内機能は不明である。Rasファミリー分子は、エフェクター分子と結合して細胞内機能を遂行する。Rhesの構造上の特徴として、エフェクター分子との結合に必須の9アミノ酸領域(エフェクター領域)の8番目のアミノ酸にフェニルアラニンを持つことが挙げられる。同じ特徴を持つRasファミリー分子に、脳でも発現しているRap2がある。そこで、両者は共通のエフェクター分子と結合する可能性があると考え、RhesとRap2に結合するエフェクター候補分子をTwo-Hybrid法とアフィニティークロマトグラフィー法を用いて検索した。その結果、Rhesに結合する分子としてARMS、BAI3、PP2AB56を、Rap2に結合する分子としてMAP4K4、TNIK、MINKを得ている。いずれも過去に報告の無い結合であり、生理的意義について解析を進めている。この中で最近、Rap2とMAP4K4の結合について生理的意義を示唆する知見が得られた。MAP4K4はストレス応答性MAPキナーゼJNKを制御するキナーゼであり、ショウジョウバエや線虫では神経軸索誘導にも関与する。Rap2はMAP4K4と結合して細胞内で共局在し、MAP4K4によるJNKの活性化を促進した。この結果から、MAP4K4はRap2のエフェクター分子であると考えられ、神経細胞における両者の結合の生理的意義の解明が待たれる。一方、MAP4K4はRhesとは結合しなかったが、MAP4K4との結合にはエフェクター領域以外の領域も重要な役割を演じている可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)