2003 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたADAMTS-1の骨代謝における役割の解析
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14570182
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助教授 (40242565)
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Keywords | 細胞外マトリックス / メタロプロテアーゼ / ADAM |
Research Abstract |
ADAMTS-1は、トロンボスポンジン(TSP)タイプIモチーフを持つADAM型メタロプロテアーゼである。我々はこれまでADAMTS-1が、軟骨の主要なプロテオグリカンであるアグリカンを分解する活性を有していることを明らかにしてきた。本研究では、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスでコラーゲン誘導性関節炎を誘発し、野生型マウスと比較して関節軟骨破壊の軽減が見られるかどうかを調べることにより、関節炎誘発時の関節軟骨破壊におけるADAMTS-1の役割を調べることを目的としている。この目的のためADAMTS-1遺伝子欠損マウスをコラーゲン誘導性関節炎に感受性を示すDBA/1マウスと戻し交配を10世代行い、現在実験に必要な繁殖を行っている段階である。今回はADAMTS-1遺伝子欠損マウスを用いて、平行して進めているADAMTS-1の卵巣機能における役割の解析を先に行った。まず、PMSG/hCG投与による過排卵条件下で排卵数を測定した場合、ADAMTS-1遺伝子欠損雌マウスでは、ヘテロマウスと比較して、排卵数の著しい低下が認められた。次に同じく過排卵条件下で、hCG投与15時間後の卵巣組織を調べた結果、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスの卵巣では、非破裂卵胞および非破裂黄体化卵胞から成る、排卵が起こらない卵胞の割合が、ヘテロマウスと比較して顕著に増加していることがわかった。これらの結果から、ADAMTS-1が卵巣機能のうち排卵過程に重要な役割をはたしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)