2003 Fiscal Year Annual Research Report
産業化学物貭による呼吸器アレルギーの発症機序の解析と感作性予知法の開発
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14570301
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青山 公治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70117472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 亨 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
胥 宝会 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00264408)
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Keywords | 感作物質 / アレルギー / 呼吸器 / 喘息 / サイトカイン / マウス / 感作性試験 |
Research Abstract |
前年度の研究成果を踏まえ、平成15年度は、呼吸器感作物質、皮膚感作物質および感作性が疑われている物質をもちいて、サイトカイン産生パターンを指標とする呼吸感作予知法の適正化を検討し、また、産業化学物質による呼吸器アレルギーの特異性を明らかにするために気道炎症の解析を行い、以下の成果を得た。 1 サイトカインの解析の時期について検討 前年度において、初期の感作時期では、呼吸器感作性と皮膚感作性を明確には区別できなかったこと、一方IL-4/IFN-γ比率の指標としての有効性が示唆されたことから、誘発処置直前のサイトカインの解析をTMAおよびDNCBについて実施した。その結果、脾臓細胞においてTMAはDNCBに比べて有意なIL-4/IFN-γ比率の高値を示し、両者を明確に区別できた。リンパ節では、一定の傾向がみられなかった。以上の結果より、誘発処置は行わず、最初の感作処置から21日目にマウスを安楽死後、臓器を摘出しサイトカインの解析に供するとした。 2 感作性予知法として有効性の検証 試験物質として、呼吸感作物質(TDI、TMA)および皮膚感作物質(DNCB、Oxazolone)、また呼吸感作性が疑われているPMDAを用いた。IL-4/IFN-γ比率により呼吸器感作物質と皮膚感作物質を明瞭に区別でき、PMDAは呼吸器感作性を示した。以上の結果より今回選択された試験物質においては、本予知法の有用性が確認された。 3 気道炎症の解析 TDI感作マウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中の白血球数は対照群に比べて増数し、その分画はリンパ球の割合が上昇していた。組織学的には気管支上皮の肥厚と気管支内腔にはPAS染色陽性の粘液が確認できた。またメモリーT細胞遊走に必要な血管接着分子であるVCAM-1,ICAM-1が検出された。好酸球は検出されなかったが、TDIに特異なアレルギー炎症像と推察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 青山公治, 他: "サイトカイン産生パターンからみた呼吸器感作性化学物質の予知評価"産業衛生学雑誌. 発表予定. (2004)
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[Publications] Xu BH.et al.: "Role of Fas/Fas ligand-mediated apoptosis in murine contact hypersensitivity"Int Immunopharmacol. 3(7). 927-938 (2003)