2002 Fiscal Year Annual Research Report
Q熱による呼吸器感染症の診断精度向上と簡略化に関する研究
Project/Area Number |
14570535
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳江 豊 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80292275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 彰 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (70220861)
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Keywords | Q熱 / Coxiella burnetii / PCR / DNA抽出法 / 検出感度 / IFA / ELISA |
Research Abstract |
1)PCR法に関してはまず各種DNA抽出法に関する比較検討を試みた。QLAamp DNA mini KITとDNAextractor WB mini KIT、およびCHELEX100を用いた簡易抽出法との3者に関して、各種検体を用いた場合の検出感度の比較を試みた。新鮮な喀痰にコクシエラ加熱死菌を添加して処理した擬似陽性サンプル、および新鮮な全血に同様にコクシエラ加熱死菌を添加してから遠心して得られた血清、血漿および白血球分画をサンプルとして各々の検出感度を比較したところ、まず気道サンプルに関しては3法の検出感度はほぼ同等と判断された。続く血液系サンプルに関しては、既存のキットを用いた抽出法のほうが簡易抽出法より明らかに感度は優れており(10倍程度高感度)、また既存キット両者のなかではQLAamp DNA mini KITのほうがより再現性の良い安定した結果を示していた。したがって以後の検討では気道サンプルは簡易抽出法、血液サンプルはQLAamp DNA mini KITを標準法として比較解析を進めていくものとした。 2)PCR法のプライマーに関しては、平井らの報告したcom1の検出系を標準として検討しているが、その後の予備実験ではIS1111aという別領域を増幅する検出系のほうがより高感度な結果が得られてきており、両者の比較検討をいくつかの臨床サンプルを用いて翌年度も続行する。 3)抗体検出系に関しては、CHECKT-Q-FEVER ELISA KITを輸入のうえ本来のターゲットであるウシ血清約200件を用いたIFA法との比較検討を試みたところ一定の相関(若干不安定)は確認できた。その後スペインで作成されたヒトのQ熱診断用ELISA KITが商業ベースで入手可能となったため、第二年度に関してはこちらのキットも交えて多数のヒト検体でのIFA法との比較検討をすすめていく方針とする。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 渡辺 彰: "Q熱肺炎の疫学、診断、治療"呼吸. 22・1. 45-49 (2003)
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[Publications] 高橋 洋: "Q熱呼吸器感染症サーベイランスの成績"感染と抗菌薬. 6. 118-119 (2003)
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[Publications] 高橋 洋: "Q熱"日本臨床増刊 新世紀の感染症学. 61・2. 505-510 (2003)
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[Publications] 高橋 洋, 渡辺 彰: "Q熱感染症"感染と抗菌薬. 5. 353-356 (2002)
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[Publications] 渡辺 彰: "特集『高齢者肺炎の予防と治療』,Short Topics,高齢者のコクシエラ肺炎(Q熱)"Geriatric Medicine. 40. 1624-1626 (2002)
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[Publications] 高橋 洋, 渡辺 彰: "Q熱 マクロライド薬の正しい使い方"臨床医. 28・5. 618-629 (2002)
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[Publications] 高橋 洋: "Q fever Molecular CPC"分子呼吸器病. 6・3. 71-73 (2002)
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[Publications] 高橋 洋, 渡辺 彰: "Q熱"小児科診療. 115・12. 115-119 (2002)
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[Publications] 高橋 洋, 渡辺彰: "Q熱"感染症. 32. 11-12 (2002)
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[Publications] 徳江 豊 他: "今日の治療指針 2003(山口 徹・北原光夫総編集)3.感染症:Q熱(p138)"医学書院. 1605 (2003)
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[Publications] 高橋 洋, 渡辺 彰, 平井 克哉: "病原菌の今日的意味 改訂第3版(松本慶蔵 編集)Q熱(p672-680)"医薬ジャーナル社. 728 (2002)