2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己骨髄単核球移植による慢性虚血心筋治療:心筋注入用カテーテルによる血管新生療法
Project/Area Number |
14570704
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上野 高史 久留米大学, 医学部, 助教授 (90184952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 久雄 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168134)
本間 友基 久留米大学, 医学部, 助教授 (10181562)
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Keywords | 慢性心筋虚血 / 自己骨髄単核球移植 / 血管新生 |
Research Abstract |
研究目的:慢性心筋虚血に対する自己骨髄単核球移植(BM-MNCs)が虚血領域の血管新生を促し、その結果虚血によって低下していた左心室機能が改善するかをブタを用いた慢性心筋虚血モデルから検討した. 平成14年度の結果:モデルはブタを開胸下に回旋枝近位部へアメロイドコンストリクターを装着し作成した。術後30日目に冠動脈造影(CAG)を行い、回旋枝の閉塞を確認した。BM-MNCsはHistopaque1077による濃度勾配法で分離した。27G注入針を有し、心筋に3.5mmの深さで穿刺が可能である心筋注入カテーテルを用い、冠動脈造影と左心室造影をモニター上に描写し、透視下に回旋枝領域に移植した。9Fガイドカテーテルを左心室内へ挿入し、その中を7Fのガイドカテーテルを通して標的部位へ注入用カテーテルを誘導した。心筋への注入は1回20_lを10ヶ所(総量200_l)施行した。慢性心筋虚血モデルは本年度5頭作成に成功し,移植群(n=3)にはBM-MNCsを、対照群(n=2)には生理食塩水を注入した。移植後30日目にFollow-upを行った。培養細胞は1週間前後でmultiple cell clustersやangiogenesis-like network structuresを認めた。全例で心タンポナーデは認められず、心筋注入用カテーテルは安全に施行できた。移植後のCAGでは対照群1例に良好な側副血行路を認めたが、移植群では3例に良好な側副血行路の発育を認めた。術前と術後30日目にドブタミン負荷エコー、マイクロスフェアの注入を行ったが,まだ統計的有意差を論ずるには至っていない。
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