2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570724
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
皆川 真規 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50333464)
|
Keywords | Gsα蛋白 / GNAS1 / DNAメチル化 / 副甲状腺ホルモン / 腎近位尿細管 / 偽性副甲状腺機能低下症 / ゲノム刷り込み / エピジェネティクス |
Research Abstract |
表題の研究を行うため、Gsα蛋白遺伝子(GNAS1)の転写調節領域のDNAメチル化異常に起因すると考えられる偽性副甲状腺機能低下症Ib(PHP-Ib)において遺伝子の転写調節領域のエピジェネティックな異常について検討した。検討した14例すべての孤発性のPHP-Ibではメチル化感受性制限酵素によるサザン解析において、NESP55領域、AS領域、Exon1A領域に母性DNAメチル化パターンの消失を認めた。XLαs領域のメチル化パターンは、ExonXL内の制限酵素NotI切断部位とExonXLの3'側の制限酵素AscI切断部位でケースにより異なっており、14例中の8例において両方の部位の母性メチル化パターンの消失を認めた。この8例のうち3例において発症時の精神運動発達遅滞を認めているため、ExonXLの5'側および3'側の領域をbisulfite PCR後、シークエンシングにより異常メチル化部位の詳細な検討を行ったが、精神運動発達遅滞に特異的なメチル化パターンはなかった。また、この検討でこの領域のCpG部位のメチル化は場所によってばらつきがあることが明らかになった。XLαs領域のメチル化パターンは他の領域のDNAのエピジェネティックな異常によって二次的に生じたものであることが示唆され、臨床症状に影響していないことが示された。また、優性遺伝するPHP-Ibの家系において、GNAS1遺伝子の220kb上流にあるSTX16遺伝子内の3kbの欠失を同定し、欠失のキャリアーである母にはメチル化の異常パターンは認めず、発症者でExon1A領域に限局した母性メチル化パターンの消失を認めた。Gsα蛋白の正常な発現にはExon1Aの母性メチル化パターンが必須であることが明らかになったが、このパターンの確立にはジェネティックな因子およびエピジェネティックな因子が関与していると思われる。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Minamitani K, Minagawa M, et al.: "Transient central hypothyroidism due to pituitary suppression in a premature neonate born to a mother with three-year-untreated Graves' disease."Clin Pediatr Endocrinol. 12・2. 93-97 (2003)
-
[Publications] Sato Y, Minagawa M, et al.: "A girl with prolactinoma presenting cessation of pubertal development and growth."Clin Pediatr Endocrinol. 12・suppl20. 33-36 (2003)
-
[Publications] 皆川真規: "副甲状腺ホルモン/副甲状腺ホルモン関連ペプチド受容体(PTHR1)遺伝子多型と身長"ホルモンと臨床. 51・11. 955-958 (2003)
-
[Publications] 南谷幹史, 皆川真規他: "中枢性思春期早発症に伴う大腿骨頭すべり症の1例"整形外科. 54・10. 1289-1292 (2003)
-
[Publications] 宮本茂樹, 皆川真規他: "小児期発症1型糖尿病患者の成人後の腎症について"ホルモンと臨床. 51巻増刊号. 168-170 (2003)