2002 Fiscal Year Annual Research Report
重症虚血肢に対する血管新生因子を用いた遺伝子治療-TP及びVEGF-cDNAとCD34陽性細胞移植との併用効果-
Project/Area Number |
14571259
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
木村 哲也 福井医科大学, 医学部, 助手 (50195369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 孝彦 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00283177)
田中 國義 福井医科大学, 医学部, 教授 (70144251)
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Keywords | 遺伝子治療 / 下肢虚血 / 閉塞性動脈硬化症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、重症虚血肢における遺伝子治療において、TP遺伝子の血管新生効果を多角的に検討することにある。著者らはイヌ心筋梗塞モデルでの研究で、梗塞部において虚血領域の改善とPlatelet derived endothelial cell factor(thimidine phospharylase PDECGF/dThdPase,以下TP)活性が高発現であることを報告した。またTP-cDNA導入プラスミドベクターを梗塞心筋に注入して心筋の血管新生を評価した。その結果TP導入群では新生血管は高値であり、さらに心内膜下での梗塞範囲の縮小が認められた。これらの結果を踏まえ、平成14年度はTPの虚血心筋細胞に対する作用をさらに検討するために、塩化コバルトで虚血状態を誘発したラット培養心筋細胞に、TP組み込みファージミドを導入しその効果を検討した。その結果、TP導入群では、細胞のapoptosisが有意に抑制され、またヘム分解酵素であるHO1活性が有意に増幅される効果を認めた。これらは、TP遺伝子導入による虚血耐性の獲得を示すものと思われる。この結果をもとに、さらに下肢骨格筋に対する以下の実験を行った。家兎の大腿動脈を主要分枝とともに切除した下肢虚血モデルを作製した。TP遺伝子を組み込んだプラスミドベクターを大腸菌内で増殖させ、精製したものを直接虚血側骨格筋内に注入した。1週後および2週後に、血管造影およびレーザー血流計、近赤外線分光法によりcollateral circulationの発達を比較検討した。その結果、TP遺伝子導入群で血管新生・虚血改善の傾向を認めた。
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Research Products
(1 results)