2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対するマイクロカプセルを用た新な局所療法の開発
Project/Area Number |
14571335
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
常喜 達裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30226378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 隆雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40307400)
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Keywords | 脳腫瘍 / Drug Delivery System / 温度可変性ポリマー / エンドスタチン / COX-2 / アドリアマイシン |
Research Abstract |
欧米ではポリマーに包埋された抗癌剤を直接腫瘍摘出腔内へ留置する治療法が認められている。我々は、温度可変性ポリマーを用いて新しい局所治療法の開発を目指す。 我々は、これまでにThermoreversible Gelation Polymer(TGP)に選択的COX2阻害薬を包埋し脳局所療法への応用を検討した。さらに、今年度は、各種抗癌剤を包埋してその徐放効果を検討した。転移温度20℃のTGPに塩酸ニムスチン(Nimustine ; ACNU)と塩酸ドキソルビシン(Dokorubicin HCl ; DXR)を包埋した。薬剤濃度は、ACNUを5mg/mlにDXRを2mg/mlに設定した。Transwell(24mm diameter,8.0μm pore size ; Transwell Costar 3428)の上層チャンバーにACNU(5mg/ml),DXR(2mg/ml)をそれぞれ0.5mlずつ留置した。生理食塩水4.0mを下層チャンバー満たした。薬剤濃度の測定は3,6,12,24,48時間と7日目に生理食塩水を回収し薬剤濃度測定を行った。抗癌剤の徐放は、抗癌剤の分子量と抗癌剤の安定性によって規定されていることが分かった。これらの結果から、我々は、長期間比較的安定であるDXRを使用し徐放実験を行った。DXRを単純に包埋した実験では、DXRはin-vitroにおいて約48時間後には全て放出されてしまった。現在は、DXRをリポソームに包埋して徐放時間を延長できないか検討を行っている。In-vivoの実験では、ヌードマウスを用いた皮下ヒト脳腫瘍細胞モデルとC6グリオーマ細胞をC6ラットの右前頭葉に定位的に注入しラット脳腫瘍モデルを作成した。現在両者とも、腫瘍の抑制効果について検討を加えている段階である。 今後、DXRで有効な結果が得られた場合には新たな抗癌剤として分枝標的薬の使用を考慮している。
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