2004 Fiscal Year Annual Research Report
精子ベクターを用いた遺伝子導入法による遺伝子疾患の治療の試み
Project/Area Number |
14571551
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
笠井 剛 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20194699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20111289)
平田 修司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (00228785)
正田 朋子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50345716)
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Keywords | 白皮症 / DNAの微小欠失 / Hook-1 cDNA / 精子ベクター / ICSI |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウスを実験動物として、精子ベクターを用いた遺伝子導入法を用いてDNAの変異や欠失に基づいた遺伝性疾患の治療方法の確立を試みようとするものである。この目的で、当初は、マウス遺伝性疾患のモデルとして、アルビノ(白色)マウスであるBALB/cマウスを用い、遺伝子治療によってDNAの点変異を修復することにより「白皮症」の治療を試みることとし、これに加え、本年度より、DNAの微小欠失を修復するモデルとして、単一遺伝子の部分欠失によって精子に形態異常が生ずるazhマウスを用いることとした。このマウスは、第4染色体上のHook-1遺伝子のエキソン10および11が欠失したもので、azh-/-のオスは精子の形態異常により不妊となる。本年度は、マウスwild type Hook-1 cDNAをクローニングし、精原細胞で発現可能なベクターに挿入した。さらに、このコンストラクトをマウス精巣の精原細胞へ効率的に遺伝子導入する方法を検討した。また、azhマウスのHook-1遺伝子の欠損部分を含むゲノムDNAをクローニングした。次年度は、azh-/-のオスマウス精子をazh-/-のメスマウス卵にICSIする際に、精子をベクターとしてクローニングした遺伝子欠損部分を遺伝子導入し、得られた産仔の精子の形態が正常化することを追求する。第1に、マウス精巣に外来遺伝子を導入する系を確立し、第2に、Hook-1遺伝子のプロモーターを利用して、マウス精巣内の精子形成細胞特異的に特定の遺伝子を発現させる系を確立することに成功した。本研究の研究年限(1年間)内においては、azh-/-マウス精子の形態の正常化には至っていないが、本研究の成果を基礎として、今後、第3に、azh-/-マウス精巣の精子形成細胞にwild type Hook-1 cDNAを導入し、形成される精子の形態を正常化すること、また、第4に、azh-/-マウス精巣の精原細胞に、Hook-1遺伝子の欠損部分を含む野生型のゲノムDNAを導入し、欠損遺伝子を修復して正常形態精子を得ることを追求することが可能となった。
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Research Products
(3 results)