2004 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科悪性腫瘍におけるTelomerase活性測定の臨床的意義
Project/Area Number |
14571570
|
Research Institution | Saga University, Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
岩坂 剛 佐賀大学, 医学部, 教授 (60117067)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正俊 佐賀大学, 医学部, 助教授 (40230669)
中尾 佳史 佐賀大学, 医学部, 助手 (30336119)
|
Keywords | 子宮頸部上皮内腫瘍 / 子宮頸癌 / 卵巣悪性腫瘍 / Telomerase / 放射線治療 / epigallocatechin gallate / アポトーシス |
Research Abstract |
1)Telomerase活性測定の子宮頸癌スクリーニング法としての有用性:集団健診を受けた245名を対象として細胞診およびTelomerase活性の有無を検索した。その結果、細胞診陰性と判定された婦人244例中16例(6.5%)にTelomeraseが陽性であった。さらにこれらのTelomerase活性陽性者16例中9例(56%)にhigh risk群の旺HPVDNAが検出された。また、生検ができた11例中9例(82%)に軽度の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN I)を認めた.一方、細胞診異常を認めた1例では生検の結果、CIN Iが証明されたが、検出されたHPVはlow-risk群であった。以上の結果はTelomerase活性化がhigh-risk群のHPV感染と深い関係があることを示唆している。したがって、Telomerase活性化測定は頸癌スクリーニング法として使用できる可能性が高いことがわかった。 2)Telomerase活性と子宮頸部上皮内病変の消長との相関:CIN I 37例、 CIN II 24例について、Telomerase活性測定後、5年以上Follow-upを行った。その結果、CIN IではTelomerase陽性群の8%が、陰性群ではその11%がCIN III以上の病変に進行したが、両群間に有意差がなかった。一方、CIN IIでは陽性群の50%、陰性群の11%がCIN III以上の病変に進行し、陽性群において高い傾向が見られたが有意差はなかった。 3)卵巣悪性腫瘍手術の術中に腹水あるいは腹腔内洗浄液を採取し、その中のTelomerase活性を測定することを試みたが、陽性率そのものが非常に低いことが判明した。Telomerase検索が腹水細胞診の精度を上回ることが難しいことが判明した。 )子宮頸癌の発癌過程においてtelomeraseの活性化が起こることがわかっている。癌の化学予防薬としてepigallocatechin gallateが注目されているが、これを子宮頸癌の各種発癌段階にある培養細胞に投与すると、アポトーシスの誘導とともに、telomerase活性の抑制が起こることが観察された。
|
Research Products
(10 results)