2003 Fiscal Year Annual Research Report
三次元画像解析法を応用したヒトの日常動作における体平衡障害の解析
Project/Area Number |
14571610
|
Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡邉 行雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10108037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 正嗣 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50159357)
|
Keywords | 三次元画像解析 / 前庭障害 / 前庭頸反射 |
Research Abstract |
三次元画像解析による体平衡の定量的評価法を開発し,前庭機能障害患者の平衡障害の特徴を研究した。マン姿勢起立時の頭部、肩、腰の動きを三次元座標における運動として記録、まず、フーリエ変換法により周波数分析を行い、0.12Hzのハイパスフィルタ処理(フーリエ逆変換)を行った後に,積分処理を行い身体動揺・偏倚量を定量的に評価した。本解析により次の知見を得ることができた。 1)代償期の一側前庭機能障害患者では、健常被験者に比較して有意に身体各部の動揺が大きい。2)健常被験者では、頭部動揺が肩動揺に比較して大きい(P<0-05)のに対し、一側前庭障害患者では逆に頭部動揺の方が肩動揺より小さい(P<0.05)。これは動揺が高度となると、頸筋による姿勢制御機構が働き、頭部動揺を抑制しようとする生体防御反応と考えられた。3)一側前庭障害患者の頭部と肩動揺は高い相関性があり、頭部と肩が硬直した状態で動揺していることを示した。 以上のように、本方法により身体動揺・偏倚の立体的な定量評価が可能となり,従来の分析では評価できなかった前庭障害症例の体平衡障害の特徴を詳細に分析できることが確認された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K Yasuda, H Fushiki, M Maruyama, Y Watanabe: "The effect of pitch tilt on postrotatory nystagmus in cats"Brain Res.. 991. 65-70 (2003)
-
[Publications] Hiroshi Kimura, Shin Aso, Yukio Watanabe: "Prediction of progression from atypical to definite Meniere's disease using electrocochleography and glycerol tests"Acta Otolaryngol (Stockh). 123. 388-395 (2003)
-
[Publications] 浅井正嗣: "3次元動作解析による体平衡評価"Equilibrium Res.. 62(3). 245-250 (2003)
-
[Publications] 將積日出夫, 渡遷行雄, 丸山元祥, 本島ひとみ, 十二町真樹子他: "中耳加圧療法による重症メニェール病の治療経験"日本耳鼻咽喉科学会会報. 106. 880-883 (2003)
-
[Publications] 渡邉 行雄: "メニェール病.今日の治療指針2004年版,山口徹 他編"医学書院. 1017-1018 (2003)