2003 Fiscal Year Annual Research Report
視覚性空間識失認に関する大脳機構の検討 ―視刺激を用いたfunctional MRIによる空間情報混乱時の大脳活動―
Project/Area Number |
14571612
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
水田 啓介 岐阜大学, 医学部, 助教授 (10190638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 隆彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (50313903)
桑田 一夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00170142)
青木 光広 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30283302)
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Keywords | functional MRI / 大脳活動 / 空間識失認 / 感覚混乱 / 視運動刺激 / 温度刺激 |
Research Abstract |
物体の動きの情報や空間的位置の情報の大脳処理経路はdorsal pathwayを通していることがわかっている。MT野、MST野では視覚刺激の動きの情報処理を、頭頂連合野では位置情報の処理がされている。一方、視覚以外の空間情報である迷路情報や体性感覚情報なども頭頂連合野に入り空間識が形成されると考えられる。視覚情報が過多になる場合(周囲の流れが速すぎで追いつけない)、視覚情報と迷路情報の矛盾、視覚情報と体性感覚情報の矛盾がおこるとき空間識失認とめまい感覚をおこす。この機構はヒトの大脳においては明確にされていない。本研究では、視覚情報過多時、視覚・迷路情報混乱時などにfunctional MRIにより大脳活動を計測し、これらの感覚混乱時の大脳活動部位局在を明らかにする。 本研究では、研究の主旨とMRI実験の特性をよく説明し、理解のうえ同意を得た健常成人5名に行った。ランダムドットパターンの視運動刺激を与え、それを追従しているときは追従が可能な状態では自己回転感は生じない。しかしその追従状態で出現する眼振と反対方向へ誘発される温度眼振を与えた場合と同方向に誘発される温度刺激を加えた場合では、感覚混乱を生じる。この2つの条件を温度刺激を加えない場合と比較した。 感覚混乱条件ではコントロール条件に比較してfunctional MRIでは大脳皮質の下頭頂小葉に活動の亢進を認めた。同部位が空間識失認に関与する部位の可能性があると考えられた。
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