2003 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターを用いた新しい血管新生抑制因子の同定
Project/Area Number |
14571685
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
森 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90251090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 新 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40143234)
渋谷 雅之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80337576)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 血管新生 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
当該研究では、アデノウイルスベクター眼内投与で発現される未知の新生血管抑制因子を特定し、臨床応用への基礎をつくることがその目的である。そのため、E4の削除してあるものとないものとの2種類のコントロールベクターをマウスの眼内に直接注入し、その後眼内で何のmRNAの発現が亢進もしくは抑制されているかマイクロアレイ法で検索した。ウイルスベクターを注入したマウスは2種類で、ひとつは何もしていない正常のC57BL6マウスで、もうひとつは、未熟児網膜症モデルで眼内新生血管のあるC57BL6マウスである。未熟児網膜症モデルは生後7日から12日の間75%酸素下で飼育し、その後大気下に戻し生後13日に眼球摘出し、mRNAを抽出した。 正常C57BL6マウスにウイルスを注入した場合、全部で12,422のprobe setとESTsのうち、非注入眼とGV10ウイルス(E4の削除していないもの)の比較では、580種類のgeneとESTsの発現が変動していた。非注入眼とGV11ウイルス(E4の削除してあるもの)の比較では、660種類のgeneとESTsの発現が変動していた。また、注目すべきは、GV10とGV11との比較であるが、UGのMm81873、Mm51368、Mm24547の三種類のみが変動していた。しかしながら、これらのシグナルは大きくなく、変動が有意かどうかの判定が難しい。また、正常眼での検討と、実際に新生血管の発生が見られるモデルでは発現が異なってくる可能性が考えられたため、未熟児網膜症モデルにGV11ウイルスを注入した場合と、そうでなかった場合を比較した。その結果ウイルス注入で、有意に発現が増強した遺伝子は48種類、抑制されたものが12種類であった。そのうち、特に血管新生の抑制に関連している可能性のあるもののひとつに、MHC class I antigenが挙げられる。それ以外にもいくつか候補があるが、いずれにしろ、アデノウイルスベクター投与で血管新生に関与する遺伝子の発現が亢進していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)