2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫におけるFas非依存性アポトーシスの発生機序に関する研究
Project/Area Number |
14571708
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小泉 宏隆 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10215155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 幸之介 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70081734)
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Keywords | 神経芽腫 / アポトーシス / Fas / カスパーゼ3 / ラミンA / PARP / H-Ras / 自食変性 |
Research Abstract |
【目的】神経芽腫における細胞死の機序を知るために,カスパーゼ3とその基質であるラミンAとPARP [poly(ADP-ribose)polymerase]およびH-Rasの発現状況を検討した.また,組織内のどの細胞集団が死に至りやすいかを知るためにクローン性解析が必要と考え,その予備検討も行った. 【方法】神経芽腫組織(ホルマリン固定パラフイン包埋材料)42例にクエン酸バッファーを用いた抗原賦活化を行った後,抗カスパーゼ3,ラミンA,PARP抗体(前駆型あるいは活性型特異的)および抗H-Ras抗体を用いた免疫染色を行った.また,自食変性部を検出するためにPAS染色を行った. 【結果】前駆型カスパーゼ3,ラミンA,PARPは多くの腫瘍細胞に発現していたが,活性型蛋白はアポトーシス細胞に限局し,予後良好腫瘍に多く発現する傾向がみられた.また,H-Rasも予後良好腫瘍に強く発現したが,その局在と細胞死領域(アポトーシス,壊死あるいは自食変性部)との関連は明らかではなかった. 【考察】神経芽腫における細胞死にはカスパーゼ依存経路が強く関与すると考えられ,最近提唱されたネクローシス様プログラム細胞死によるカスパーゼ非依存経路の関与は確認できなかった.今後,症例を増やしさらに検討を続ける必要がある.なお,線維性異形成,結節性筋膜炎を用いたX染色体連鎖クローン性解析では信頼できる結果が得られており,今後,神経芽腫への応用を行う予定でいる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 熊井俊夫 他: "RNAの定量化(リアルタイムPCR)の実際"聖マリアンナ医大誌. 31. 393-396 (2003)
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[Publications] M Mikami et al.: "The identification of monoclonality in fibrous dysplasia by methylation-specific PCR for the human androgen receptor gene (HUMARA-MSP)."Virchows Arch.. 444. 56-60 (2004)
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[Publications] 高野俊史 他: "食道に発生したprimitive neuroectodermal tumorの一例"診断病理. 21. 46-49 (2004)
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[Publications] H Koizumi et al.: "Clonality analysis of nodular fasciitis by HUMARA-methylation specific PCR."Histopathology. (印刷中). (2004)