2003 Fiscal Year Annual Research Report
Prevotella属における歯周病病原因子の遺伝子学的解析
Project/Area Number |
14571756
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
岡本 公彰 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30116008)
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Keywords | 歯周疾患 / 歯周病関連細菌 / Prevotella属 / 歯周病原性 / 酵素 / ホスファターゼ / 血球凝集因子 |
Research Abstract |
Prevotella属は嫌気性グラム陰性桿菌で,種々の歯周疾患の縁下プラークより分離され,歯周疾患の発症、進行に関与すると考えられている。しかし、口腔内の歯周病原性をもつ細菌の中で最も分離頻度の高い細菌であるにも関わらず,Porphyromonas属ほど病原因子の解析が進んでいない。 平成15年度は、Prevotella属の血球凝集因子の検討を研究実施計画とした。血球凝集因子については、Leung-KP, Lee SWらと共同で、P.intermedia 17の血球凝集因子(phg遺伝子)を単離し報告している(GenBank Accession Number AF016851)。 phg遺伝子をPCRで増幅し、ベクターpQE30にライゲートし、自然凝集活性の少ない大腸菌JM109株にトランスフォームして数種の組換体を作成した。その結果、phg遺伝子を含む組み換え体は、IPTG添加の有無にかかわらず血球凝集活性を示すものの、phg遺伝子を含まない対照と比較して、明確な活性の違いは見られなかった。さらに数種の発現ベクターを用いて活性の発現の検討を重ねたが、明確な活性の違いは見られなかった。 そこで、GST融合タンパク質の組み換え体を作成し、発現タンパクを精製し、その血球凝集活性の検討を試みた。しかし、大腸菌JM109組み換え体ではIPTGの誘導により、目的の67Kタンパクの過剰発現が確認されたが、菌体から可溶化して精製することが出来ず、封入体として存在すること力判明した。今後、封入体の形成からタンパクを可溶化できるかが、大きな課題となる。 Prevotella属における歯周病病原因子の遺伝子学的解析とともに、Prevotellaの産生する病原因子、ホスファターゼ、およびPorphyromonasの産生するジンジパインに対し、緑茶成分であるカテキン類が抑制効果を示すことを発見し、論文に発表した(Oral Microbiol.Immunol.2003)。また、中国における口腔内Prevotella属の疫学的調査を首都医科大学北京口腔医院と共同で研究し、P.intemediaとP.nigrescensが異なる分布様式を示すことを論文に発表した。
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[Publications] M.Okamoto, K.-P.Leung, T.Ansai, A.Sugimoto, N.Maeda: "Inhibitory effect of green tea catechins on protein tryosine phosphatase in Prevotelle intermedia"Oral Microbiol.Immunol.. 18・3. 192-196 (2003)
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[Publications] 岡本公彰, 前田伸子: "中国(北京)における健常者および成人性歯周炎患者の歯周疾患関連細菌の検出頻度"日歯周誌. 45・2. 163-170 (2003)
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[Publications] A.Kamaguchi, R.Nakamura, M.Okamoto, T.Watanabe, T.Ohyama, H.Baba: "Quantification of Poryphyromonas gigivalis by real time PCR : new primers targeting the rgpA and rgpB gene encoding RGP"Higashi Nippon Dent.J.. 22・1. 11-29 (2003)
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[Publications] Z.Wang, M.Okamoto, S.Yang, N.Maeda et al.: "Detection of main putative periodontopathic bacteria in subgungival plaque by polymerase chain reaction"Chinese J.Microbiol.. 15・2. 115-116 (2003)
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[Publications] 鎌口有秀, 中村麗子, 大山徹, 渡部俊弘, 岡本公彰, 馬場久衛: "Poryphyromonas giginvalisのRgp (arginine specific cysteine proteinase)発現に対するquorm sensingの影響"東日本歯学雑誌. 22・2. 137-148 (2003)