2004 Fiscal Year Annual Research Report
Prevotella属における歯周病病原因子の遺伝子学的解析
Project/Area Number |
14571756
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
岡本 公彰 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30116008)
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Keywords | 歯周疾患 / 病原因子 / 遺伝子 / Prevotella / 赤血球溶血因子 |
Research Abstract |
Prevotella属は口腔内の歯周病原性をもつ細菌の中で最も分離頻度が高いにも関わらず,病原性の解明が進んでいない。平成16年度の課題はPrevotella属の病原因子として、赤血球凝集因子,赤血球溶血因子の遺伝子に着目し,塩基配列、制御機構の解明を目的とした。 血球凝集因子遺伝子の解析については、当研究者がLeung KPらと共同でクローニングし(phg遺伝子),公表している。平成16年度はさらにP.intermediaのphg遺伝子を大腸菌に組み込み、GST融合タンパクとして遺伝子の発現を試みた。しかし封入体を作り、凝集活性を示す蛋白質として単離することが出来ず、引き続き検討が必要である。このphg遺伝子を基にPrevotella属に類似の遺伝子配列があるかどうかを検索したが、類似の遺伝子は見つからなかった。 赤血球溶血因子遺伝子はBeem EらがP.intermedia 27株からクローニングし報告している。この遺伝子が種々のPrevotella属に存在するかを検討したが、極めて特殊な菌株にしか存在しないことを見出し、報告した。TIGR(The Institute for Genomic Research)のP.intermedia 17株の全遺伝子解析プロジェクトの報告の中に、P.melaninogenicaの溶血遺伝子と類似の構造を見つけ、この遺伝子の組み込み体を作成し、溶血活性を発現することを見つけた。この遺伝子はP.nigrescensには存在しなかった。さらにP.intermedia分離株での遺伝子多型を調べ、溶血活性との関連を引き続き検討している。 Prevotella属と類似しているP.gingivalisが産生するジンジパイン等の病原因子に対し、緑茶成分であるカテキン類が抑制効果を示すことをみつけ、論文に発表した。 以上、Prevotella属のなかでもP.intermediaは病原遺伝子の面からは大きく異なることが示唆された。
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