ラット耳下腺シンタキシン2に結合する分泌顆粒膜タンパク質の検討

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14571780
• Research Institution: The Nippon Dental University
• Principal Investigator: 今井 あかね 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (60180080)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉江 紀夫 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (30095278) ; 下村 浩巳 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (40139259) ; 梨田 智子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (10133464)
• Keywords: 耳下腺 / 分泌顆粒 / Munc18-3 / シンタキシン / Rab27 / Slac2-c / Slp-4a / アミラーゼ分泌

Research Abstract

耳下腺腺房細胞の開口分泌へのSNAREタンパク質の関与を明らかにする目的で、分泌顆粒膜に存在する各種タンパク質を調べた。さらに尖端膜上のt-SNAREと成り得るシンタキシンを検出し、Munc18-3との相互作用を調べた。また、穴あき耳下腺腺房細胞を作成し、これらのタンパク質の抗体を導入することによりイソプロテレノール(IPR)刺激によるアミラーゼ分泌に係わりを持つのかを検討した。
1.Western blottingおよびimmunocytochemistryにより分泌顆粒上にRab27AおよびB, Slp4/guranuphilinおよびSlac2-c/MyRIPの発現を認めた。
2.免疫沈降を行った結果、Rab27/Slp 4-aおよびRab27/Slac2-cとの結合が認められた。
3.ストレプトリジンO(SLO)で処理した耳下腺腺房細胞にRab27に結合するSlp homology domain (SHD)-GST融合タンパク質を導入し、1μM IPRで刺激した結果、濃度依存的にアミラーゼ分泌を阻害した。すなわち、Rab27BをブロックすることによりSlac2-cと結合できない状態では分泌が抑制された。
4.Rab27B抗体およびSlac2-c-SHD抗体によっても同様の分泌阻害が見られた。これらの結果からアミラーゼ分泌にはRab27とSlac2-cの結合が必須であることが示唆された。
5.耳下腺腺房細胞の尖端膜を用いたMunc18-3抗体の免疫沈降では、syntaxin 2および3との結合は認められず、syntaxin 4およびSlp4-aとの結合が確認された。
6.Munc18-3抗体を穴あき細胞に導入する実験においても、濃度依存的にIPR刺激によるアミラーゼ分泌阻害が認められた。これはMunc18-3抗体の働きにより、Munc18-3とシンタキシン4が乖離できなくなるため、シンタキシン4がt-SNAREとしてv-SNAREと相互作用できなくなるためと考えられた。

Research Products

• [Publications] Nashida T, Yoshie S, Imai A, Shimomura H: "Co-localization of Rab4 with endocytosis-related proteins in the rat parotid glands"Arch Histol.Cyto. 66. 45-52 (2003)
• [Publications] Imai A, Nashida T, Yoshie S, Shimomura H: "Intracellular localization of SNARE proteins in rat parotid acinar cells : SNARE complexes on the apical plasma membrane"Arch Oral Biol. 48. 597-603 (2003)
• [Publications] Imai A, Nashida T, Shimomura H: "Roles of Munc18-3 in amylase release from rat parotid acinar cells"Arch Biochem Biophys. 422. 175-182 (2004)
• [Publications] Imai A, Yoshie S, Nashida T, Shimomura H, Fukuda M: "Small GTPase Rab27B regulated amylase release from rat parotid acinar cells"J Cell Sci. 4月号(In press). (2004)
• [Publications] Imai A, Nashida T, Yoshie S, Shimomura H: "Detection of SNARE complexes on the apical plasma membrane in rat parotid acinar cells"J Dent Res. 82. B-149 (2003)
• [Publications] 今井あかね, 吉江紀夫, 梨田智子, 下村浩巳: "ラット耳下腺線房細胞からのアミラーゼ分泌に対するRab27およびSlac2-cの関与"歯科基礎医学会雑誌. 第45巻抄録集. 314 (2003)