2002 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞における放射線抵抗性機序とミトコンドリア機能に関する研究
Project/Area Number |
14571795
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河野 一典 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (50108750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬童 寛子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00301391)
平木 嘉幸 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (90264423)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (60165701)
富田 和男 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60347094)
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Keywords | 放射線感受性 / 放射線抵抗性 / 抗癌剤耐性 / MnSOD |
Research Abstract |
これまで臨床的に再発癌においては放射線および化学療法に対して抵抗性を示すことが知られており、抗癌剤に対してはMDR遺伝子の発現などが考えられている。しかし、放射線に対する抵抗性の獲得機序についてはほとんど明らかにされていない。我々はこれまで頭頚部の扁平上皮癌から得られた7株の培養細胞株を用い、低濃度の抗癌剤存在下で培養維持することによって、抗癌剤抵抗性を示す細胞株を得た(SCC61細胞)。この細胞株は親株に比較して抗癌剤(CDDP)に対しだけでなく放射線に対しても抵抗性を示すものであるが、この抵抗性の機序はMDR遺伝子に関連した因子とは明らかに違うものであると考えられた。本研究は放射線の低線量照射によっても放射線抵抗性獲得がなされること、またこの機序にはMnSODの発現が重要であることを明らかにし、薬剤耐性とは異なる機序が働いていることを示そうとするものである。 本年度では放射線感受性をコロニー法にて調べ、SCC61細胞のCDDP12週間処理(SCC61-12W)およびBleomycin24週間処理(SCC61-24W)が放射線に対して最も有意に抵抗性であることがわかった。これらSCC61-12W、SCC61-24Wの2株放射線感受性については細胞生残率曲線から感受性の異なる細胞の混在した集団である事が予測された。各細胞株についてクローニングを行い、各々50から100個のクローン細胞株を分離した。現在その各クローンについて抗癌剤および放射線に対する感受性について検討中である。今後、最も放射線抵抗性を示す変異株と親株であるSCC61との感受性を左右する因子について解析していく予定であるが、とくにMnSOD発現を含めて放射線障害におよぼすミトコンドリア機能の役割について研究を進めることにしており、変異株におけるMnSOD活性と放射線感受性の関係について調べる
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yen H-C, Nien C-Y, Majima HJ, Lee C-P, Chen S-Y, Wei J-S: "Increase of Lipid Peroxidation by Cisplatin in WI38 but not in SV40-transformed WI138 cells"J.Biochem.Mol.Toxicol.. 17・1. 1-8 (2003)
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[Publications] Setsukinai K, Urano Y, Kakinuma K, Majima HJ, Nagano T: "Development of novel fluorescence probes that can reliably detect reactive oxygen species and distinguish specific species"J Biol Chem. 278・5. 3170-3175 (2003)
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[Publications] Koike S, Ando K, Oohira C, Fukawa T, Lee R, Takai N, Monobe M, Furusawa Y, Aoki M, Yamada S, Shimizu W, Nojima K, Majima H.: "Relative biological effectiveness of 290 MeV/u carbon ions for the growth delay of a radioresistant murine fibrosarcoma"J Radiat Res. 43・3. 247-255 (2002)
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[Publications] Majima HJ, Nakanishi-Ueda T, Ozawa T.: "4-hydroxy-2-nonenal (4-HNE) staining by anti-HNE antibody"Methods Mol Biol. 196. 31-34 (2002)