2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯歯根吸収に関与する遺伝子の同定およびその制御機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
14571933
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三留 雅人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50261318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
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Keywords | ヒト乳歯 / TRAP陽性多核細胞 / 歯根吸収 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
破骨細胞は骨吸収を担う多核細胞であり,単球・マクロファージ系細胞の前駆細胞から分化することが知られている。今回我々は,炎症性サイトカインの1つであるマクロファージ遊走阻止因子(MIF)が,破骨細胞分化過程にどのような影響を及ぼすかについて検討を行った。マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)とマウス骨髄細胞との共存培養系によって破骨細胞を誘導し,酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性陽性細胞の出現数、破骨細胞分化因子receptor activator of NF-kappa B (RANK) ligand (RANKL)の発現量、破骨細胞抑制因子osteoprotegerin (OPG)の産生量および象牙質切片を用いた硬組織吸収能についてMIFの影響を調べた。その結果,TRAP陽性多核細胞の出現数は,MIF濃度に依存して減少することが判明した。一方,MC3T3-E1細胞におけるRANKLの発現およびOPGの産生に,MIFの影響は確認されなかった。TRAP陽性細胞1個中に含まれる核数の分布を調べたところ,MIF作用群ではコントロールと比較し,多核化が抑制されていることが明らかになった。また,象牙質切片上に形成された吸収窩を観察したところ,MIF作用群では形成された吸収窩の大きさが明らかに小さかった。以上の結果より,MIFは骨芽細胞に作用するよりも、むしろ、分化・成熟過程にある破骨細胞の融合過程を阻害することで,成熟した破骨細胞の出現を抑制しているものと考えられ、歯根吸収の制御が効果的・効率的に行えうることが示唆された。
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Research Products
(1 results)