2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜細胞の遺伝子発現のプロファイリングに関する研究
Project/Area Number |
14571947
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮本 学 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40252978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
坪井 佳子 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325122)
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Keywords | periodontal ligament / cell culture / FGF |
Research Abstract |
ヒト歯根膜から分離した細胞の、単一細胞を起源とする細胞コロニーに、骨形成に関する細胞刺激を加えた場合の遺伝子発現の変化を比較し、応答する遺伝子をマイクロアレイ技術によりプロファイリングすることにより、細胞特異的な遺伝子の発現を解析することを目的として、実験を行った。単一細胞を起源とした細胞を増殖させるためには、培地組成に加えて、細胞増殖因子を添加する必要があった。ヒト歯根膜細胞に対する増殖因子として知られているFibroblast growth factor-2(FGF-2)の細胞増殖および、細胞老化に対する詳細を検討した。その結果、FGF-2は歯根膜細胞の細胞数の増加に対して短期間では10-15%増強する効果があった。また、コロニー形成能についても増強効果があった。さらにこの効果は細胞の老化に際してはさほど影響をうけなかった。しかし、FGF-2を長期間添加した上で、細胞継代を続けていくと、細胞老化に伴い増殖効果は低下し、さらには逆に細胞老化を早め、増殖能力の低下をきたした。また、FGF-2のヒト歯根膜細胞の細胞老化に関わるメカニズムについて考察するため、細胞増殖に関わる各種遺伝子の発現に対する影響を調べた。FGF-2を長期間添加して培養した継代数の異なる歯根膜細胞のp53およびp16の遺伝子発現を定量的RT-PCR法で検討した結果、これらの遺伝子発現に差はなかった。これらのことより、従来から細胞増殖因子として考えられているFGFには細胞培養系への長期間の作用により細胞老化を早める作用のあることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Fukunaga et al.: "Connective tissue growth factor mRNA expression pattern in cartilages is associated with their type I collagen expression."Bone. 33. 911-918 (2003)
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[Publications] H.Kamioka et al.: "Terminal differentiation of osteoblasts to osteocytes is accompanied by dramatic changes in the distribution of actin-binding proteins."J Bone Miner Res. 19. 471-478 (2004)