2003 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いた齲蝕症に対する宿主の遺伝要因の特定
Project/Area Number |
14571972
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
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Keywords | 齲蝕 / 近交系マウス / 量的遺伝 / DNAマーカー |
Research Abstract |
6週齢のBALB/cJマウス(齢蝕感受性)とC3H/HeJマウス(齲蝕抵抗性)を交配しF1マウスを作製後、F1マウスの雌雄をランダム交配し得られたF2マウスを研究試料とした。実験方法は生後21日齢にて離乳後、22日齢より1週間50μlずつ経口的に供試菌【streptomycin耐性Streptococcus mutans PS-14(血清型C型)】を接種し、42日齢にてクロロホルム麻酔下で安楽死させた後、齲蝕スコア算定のための下顎骨摘出ならびにDNA抽出のための脾臓摘出を同時に行った。齲蝕の数値化は実体顕微鏡下(60倍)でKeyesの評価法をマウス用に改変したものを用いた。DNAは親系マウス、F2マウスの脾臓からフェノール・クロロホルム法にて抽出した。DNAマーカー(Research Genetics Inc.U.S.A.)は全染色体上に約20cM間隔で設定し、合計53個を使用した。PCRの反応液ならびに反応条件は通法に従った。PCR産物はUVライト下でデジタルカメラ(OLYMPUS CAMEDIA C-4100ZOOM)撮影しコンピューター上で遺伝子型を判定した。F2マウスの齲蝕スコアと遺伝子型をもとにQTL解析(Map Manager QTXb19)を行った。 親系マウスであるBALB/cJマウス、C3H/HeJマウスの平均麟蝕スコアはそれぞれ46.8±22.2(Mean±SD)、5.2±6.6(Mean±SD)であった。またF2マウスの平均齲蝕スコアは16.6±15.6(Mean±SD)であった。齲蝕スコアと遺伝子型を基にしたQTL解析からD11Mit262、D7Mit12でsignificant値を示した。また、D3Mit158、D8Mit78、D16Mit5、D17Mit113、D17Mit93でsuggestive値を示した。 本研究からマウスにおける初期齲蝕発症に関与する量的遺伝子は染色体3、7、8、11、16、17番の6つの染色体上に存在している可能性が示唆され、特に11番、7番の2つの染色体上に主要遺伝子の存在する可能性が疑われた。
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