2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子に作用する医薬品の開発と安定同位体標識化DNAを用いた相互作用の解明
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14572012
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
川島 悦子 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30057343)
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Keywords | 遺伝子発現制御薬 / ポリアミド修飾ヌクレオシド / DNAとの相互作用 / CDスペクトル / Tm値 / 高立体選択的重水素化 / D-(5R)[5-^2H_1;5-^<13>C]リボース / {D-(5R)[5-^2H_1;5-^<13>C]リボシル}チミン |
Research Abstract |
DNAあるいはRNAに作用し遺伝子の発現を制御できる化学物質は,癌,遺伝子治療薬として期待できる.申請者は,現在までに報告のないポリアミドとヌクレオシドの両方の利点を兼ね備えた遺伝子発現制御物質を創製し,さらにこれらの相互作用を確認することを目的とした. (1)ポリアミド化合物とヌクレオシドより成る化合物を医薬品のリード化合物として合成:種々の検討を行いN-メチルピロールを出発原料とし,末端アミノ基のホルミル化されたピロールアミド3量体(ピロールポリアミド)を合成し,このピロールポリアミドを2'位水酸基とエステル結合させたウリジン,および2'位水酸基を3-アミノプロピル基をリンカーとしたピロールポリアミドで修飾したアデノシンの合成を達成した.(2)ピロールポリアミドで修飾したアデノシンとDNAとの相互作用の検討:この化合物とDNAとの複合体のCDスペクトルおよびTm値を測定し,DNAとの相互作用の解明を行った.ピロールポリアミドで修飾されたアデノシンではCD曲線が大きく変化し,DNAとの複合体が形成されることを明らかにした.(3)高立体選択的或いは特定部位を標識した安定同位体標識化ヌクレオシドの効率的合成法の開発:薬物と遺伝子DNAとの相互認識機構をNMR法を用いて解明する際に有用な高立体選択的[5'-^2H_1][5'-^<13>C]ヌクレオシド誘導体の効率的合成法の開発を検討した.立体構造を考慮し,D-アロースを原料とし,D-[5-^<13>C]リボフラノース誘導体の合成法の改良,続いてその5位の高立体選択的重水素化によるD-(5R)-[5-^2H_1;5-^<13>C]リボフラノース誘導体の合成法を開発し,それを用いた{D-(5R)-[5-^2H_1;5-^<13>C]リボシル}チミンの合成を達成した.このように標識化されたリボヌクレオシド誘導体を用いオリゴマー合成をし医薬品等との相互作用時のNMR測定により詳細な構造解析が可能となると期待できる.
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Research Products
(1 results)